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「同じ目線に立ってくれる」角田裕毅がトスト代表との“共同作業”で前進!「マルコ顧問はちょっと怖い」と本音も

THE DIGEST編集部

2021.06.04

拠点をイタリアに移した角田。アゼルバイジャンGPで逆襲なるか。(C)Getty Images

拠点をイタリアに移した角田。アゼルバイジャンGPで逆襲なるか。(C)Getty Images

 今季、スクーデリア・アルファタウリからF1にデビューし、開幕戦バーレーン・グランプリではいきなり9位入賞でポイント獲得という好スタートを切った角田裕毅だったが、以降の4レースでは自身のミスや車の問題で結果を残せないまま、現在に至っている。

 これに対し、レッドブル・グループのヘルムート・マルコ顧問が動き、角田に対して英国からアルファタウリのファクトリーがあるイタリア・ファエンツァに拠点を移させ、フランツ・トスト代表の下で、トレーニングやメカニカルな学習などを行ない、「プロスポーツ選手としての生活や仕事のやり方を学ぶ」ことを命じた。

「ユウキの成長はポジティブなものではない」というマルコ顧問の厳しい評価によって、成長するための特別プログラムを組まれることになった21歳の日本人ドライバー。人口6万人の小さな街のアパートに居を移し、徹底的な個別の観察を受ける彼は、これまで以上に近い位置で仕事をすることになった2人の首脳陣についての印象を、F1公式サイトのポッドキャスト『Beyond the Grid』で語っている。

「トスト代表はバーレーンで、午前6時にホテルで着替え、1時間半のランニングをした後、すぐにジムに向かい、計3~4時間、アスリートとほとんど同じトレーニングを行ないました。いや、彼はアスリートです」
 
 65歳にしてストイックな姿勢を保つチーム代表と行動を共にするということで、ドイツの専門メディア『sport.de』は「角田はこの先、自分に何が待ち受けているかを知っている」と綴り、厳しいトレーニングが行なわれることを示唆しているが、角田はトスト代表を同じ仕事を共有するパートナーと捉え、信頼を寄せるとともに、このプログラムから利益を得られることを期待しているという。

「トスト代表は、ドライバーをより良くする方法を知っています。彼はかつて、(3度の世界チャンピオンに輝いた)セバスティアン・ヴェッテル(現アストンマーティン)とも仕事をしてきました。ドライバーをマネジメントする上で、同じ目線に立ってくれます。ただのボスではありません」

 他にも、あれこれ指示を出さず簡潔にアドバイスを与え、ミスをした際も大声で叱責することがないのがトスト代表の特徴だと紹介したルーキーは、一方でマルコ顧問については、「モナコGPのフリー走行で『クラッシュしてはいけない』と言ったのに、僕がそれをやってしまった時は、当然機嫌は良くなかったです」と明かすとともに、「ちょっと怖い」と正直な印象を語る。しかし、レースの世界での経験が豊富な78歳の御大に対しては大きな尊敬の念を抱いており、「たまにはレース以外のことも話す」関係だという。

 孫と祖父ほどの歳の離れた両者の関係が、角田にどれほどの成長をもたらすのかが非常に興味深い。彼に対しては、昨季、F2で共に王座を争い、(角田を上回る)年間2位につけて、今季はフェラーリのテストドライバーやアルファロメロのリザーブドライバーを務めるカラム・アイロットが「ユウキとミック(・シューマッハー)は本当に良くやっていると」と称賛し、自身のF1昇格に向けて大いに刺激を受けていると語ったが(専門メディア『THE SPORTS RUSH』より)、角田もファエンツァで刺激や収穫を得てほしいものだ。

構成●THE DIGEST編集部

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