その他

グランアレグリアの”一強ムード”を崩す穴馬は?直前の戦力分布を徹底解説!【安田記念展望】

三好達彦

2021.06.05

一番人気のグランアレグリア。史上3頭目の安田記念連覇へ順調に調整を進めている。写真:産経新聞社

 6月6日、春のマイル王決定戦、安田記念(G1)が東京競馬場で行なわれる。フルゲート割れの14頭立てになり、"一強ムード"に染まる今年だが、その構図を崩す穴馬はいないのか?まずはその戦力分布を見ていこう。

 まず、"一強"と目されるのは、前回の本レース勝ち馬であり、昨秋のマイルチャンピオンシップを含めて古馬のマイルG1で3連勝を目指すグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 今年の初戦となった大阪杯(G1)では、初の2000メートル戦という課題と馬場の悪化も影響し、持ち前の末脚が封じられて4着に敗れた。しかし、その後は見事に態勢を立て直し、ヴィクトリアマイル(G1)で上がり3ハロン32秒6という爆発的な追い込みを見せると、直線だけで9頭をごぼう抜き。2着に4馬身差を付ける完勝で、5つ目のG1タイトルをものにした。

 振り返れば、昨年の安田記念では"女王"の誉れ高いアーモンドアイに2馬身半差という決定的な差を付けて降したのがグランアレグリア。他馬とは能力が違い過ぎるというのが率直な評価だ。

 唯一気になるのがヴィクトリアマイルから中2週というレース間隔の短さ。ヴィクトリアマイルと安田記念を連勝したのは2009年のウオッカのみで、疲労残りがあったのか、他の3例はいずれも安田記念でパフォーマンスを落として、一敗地にまみれている。
 
 しかし、疲労を考慮して坂路で行なわれた最終追い切りでも"馬なり"で素晴らしい動きを披露。藤沢和雄調教師が得意とする、余計な負荷をかけすぎない絶妙な調整で臨戦態勢は整ったと見る。今年の安田記念は、グランアレグリアのスーパーホースたる所以を目にする舞台となるはずだ。

 グランアレグリアを堅い軸馬とするならば、馬券的には"相手"の頭数を絞り込んで勝負したいところである。

 その次に本稿で取り上げたいのは、京王杯スプリングカップ(G2)で、昨春のNHKマイルカップ(G1)以来の勝利を挙げたラウダシオン(牡4歳/栗東・斉藤崇史厩舎)だ。

 昨秋以降は、富士ステークス(G2)を2着としたものの、マイルチャンピオンシップは古馬G1の壁に跳ね返されて15着に大敗。今年は始動戦のシルクロードステークス(G3)を3着としたが、高松宮記念はタフな重馬場が堪えて14着に敗れていた。

 しかし、前走の京王杯スプリングカップでは、先行・抜け出しという得意の先方をもって、1分19秒8という好タイムで押し切り、久々の美酒に酔った。
 
NEXT
PAGE
ラウダシオンを推奨する理由、そして次に注目したい2頭は…