圧巻の戦いぶりにライバルも感嘆の声をあげた。

　ボクシングWBA＆IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥（大橋ジム）が現地時間６月19日、米ラスベガスのバージン・ホテルズで、IBFバンダム級１位のマイケル・ダスマリナス（フィリピン）と対戦。下馬評通りの一方的な展開で３回TKO勝ちを収めた。

　試合序盤にダスマリナスの様子を見ていた井上は、２ラウンドから完全にペースをつかみ、右脇腹への左フックで初ダウンを奪取する。３ラウンド終盤には再び左のボディーブローを放って２度目のダウン。その直後にもう一度、左ボディーを重ねて挑戦者をリングへと沈めた。

　この勝利をリングサイドで観戦していたWBC世界同級王者のノニト・ドネア（フィリピン）は試合後、インタビューに応じ、「彼は本当に強い」と感想をコメント。「エキサイティングで印象に残る試合だったね」と戦いの印象を明かしている。
  　また、勝利インタビューでの「（カシメロとドネア）どちらかの勝者と試合がしたい。ただ、よりドラマチックなのはドネア２」という井上のコメントについて聞かれると、「是非やりたいね」と即答。“モンスター”の戦いぶりに刺激を受けたようで「彼を見てもっと強くなりたいと思ったよ。もちろん100％勝つよ（笑）」と爽やかに自信を示した。

　2019年のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ（WBSS）決勝では判定負けを喫しているドネアだが、当時と比較しても「彼（井上）のパワーは健在だった。前回戦ったときより彼は強くなっていた」という。熱望する井上とのリマッチへ向けては「チャレンジの連続でワクワクするよ」と胸を膨らませている。

　また、一部のメディアで噂されていたジョンリル・カシメロ（フィリピン）との一戦については「８月14日にやるよ」と宣言。この勝者と井上が戦うという可能性も浮上しており、今後の動向が楽しみだ。

構成●THE DIGEST編集部

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