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格闘技・プロレス

「彼に敵はいない」井上尚弥の強さに世界が震撼!米放送局はPFPでの“課題”を提示「トップに立つには…」

THE DIGEST編集部

2021.06.21

ダスマリナスを一切寄せ付けなかった井上。その強さに反響が集まり続けている。(C)Getty Images

ダスマリナスを一切寄せ付けなかった井上。その強さに反響が集まり続けている。(C)Getty Images

 格が違った。いや、次元が違ったと言っても過言ではない。マイケル・ダスマリナス戦の井上尚弥はそれほど強く、そして冷静に勝負を決めた。
【動画】ダスマリナスが苦悶の表情に…井上尚弥が炸裂させた左ボディーでのKOシーンはこちら

 現地時間6月19日、ラスベガスのバージン・ホテルズ・ラスベガスで行なわれたIBFバンダム級1位のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦で、WBA&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋ジム)は、貫録のTKO勝ちを収めた。

 序盤から力の差は明確だった。1回で完全に相手の動きを見切った井上は、2回に渾身の左フックでダウンを奪取。続く3回で相手のボディーに2度の左フックを当て込んで、それぞれダウンをもぎ取った。

 試合後に「一発、合わせた段階で、相手が弱気な姿勢も見せた。こんなもんかという感じだった」と貫録のコメントを残し、“モンスター”たる所以を見せつけた。そんなチャンプの演じた快勝劇の反響は、世界中に響き続けている。

 フランスの全国紙『Lequipe』は、「イノウエはダスマリナスを簡単に凌駕し、タイトルを難なく保持した。この日本人は、スピーディーかつ正確、そして何よりも無慈悲なパンチで自らが、バンダム級で最高の戦士であると示した」と絶賛。

 さらに格闘技のメッカと言われるメキシコの有力メディア『Bola Vip』も「イノウエはリングに上げる度に強くなり、『もう彼に敵はいないのだ』と我々に感じさせる」と褒めちぎった。

「ダスマリナスとの一戦でもイノウエは時間を必要としなかった。彼は、ボディーへの強烈な3発でフィリピン人の挑戦者を食い止め、その場に膝をつかせた。日本のモンスターは、タイトルを守るのに多くの時間を必要としなかった」
 
 もはや敵などいないのではないか――。そう感じさせる圧巻の強さだけに、井上の今後の動向は大きな注目を集めている。そのなかで試合中継を担った米放送局『ESPN』は、次のような“課題”を提示している。

「はたして、ナオヤ・イノウエに天井はあるのだろうか。今やバンタム級でほぼ全てのファイターたちと対戦した彼は、そのほとんどの戦いで支配的な強さを見せ、どの戦いも長続きはしない。そんなイノウエがカネロ・アルバレスやテレンス・クロフォードが上位にいるパウンド・フォー・パウンド(PFP)でトップに立つためには、やはり4団体統一が現実的だ。

 一体誰が立ちはだかるかは不明だが、仮にジョンリエル・カシメロを破り、ノニト・ドネアとの再戦が実現すれば、イノウエにとっても願ったりかなったりの相手になるだろう。復活を印象付けているフィリピンのベテランを破って“課題”をクリアすれば、彼のキャリアはより輝きを増し、PFP1位の座も確固たるものとなるはずだ」

 かねてから「バンタム級制覇」に闘志を燃やしてきた井上。4団体統一戦の相手は、直接対決が電撃決定したWBC王者ノニト・ドネアかWBO王者ジョンリエル・カシメロの勝者と目されているが、はたしてどうなるのか。いずれにしても、“聖地”ラスベガスで世界を震撼させたモンスターが、同級の歴史を変えようとしているのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部
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