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【宝塚記念展望】牝馬の黄金時代到来か?上位人気を占めるクロノジェネシスら3頭の“強み”を徹底分析!

三好達彦

2021.06.26

牝馬初のグランプリ3連覇が懸かるクロノジェネシス。今回のレースへ万全の仕上がりを見せている。写真:産経新聞社

 6月27日、第62回を迎える上半期の総決算、宝塚記念(G1、阪神・芝2200メートル)が阪神競馬場で行なわれる。

 ゼンノロブロイ、ハーツクライ、タップダンスシチーらの強豪をなで斬りにして、スイープトウショウが豪快な追い込み勝ちを決めたのが、2005年のこと。39年ぶりレース史上2頭目の牝馬による勝利は大いにファンを驚かせた。だが、これはのちにやってくる"牝馬の時代"の序章にすぎなかった。

 2016年にマリアライトがキタサンブラックやドゥラメンテを倒して優勝すると、19年にはリスグラシューがレイデオロやマカヒキらを寄せ付けずに快勝。そして昨年、クロノジェネシス(当時4歳)が2着を6馬身も突き放す衝撃的な圧勝劇を演じたのは、まだ記憶に新しい。

 そして今年、ついに1~3番人気を牝馬が占めるであろう時代がやってきた。レースの結果以前に、そのこと自体が時代を象徴する出来事として記憶されるはずだ。

 1番人気は、もちろん昨年の覇者であるクロノジェネシス(牝5歳/栗東・斉藤崇史厩舎)である。
 
 宝塚記念を制したあとは、天皇賞・秋(G1、東京・芝2000メートル)こそスタートでの不利が響いて2着に敗れたが、続く有馬記念(G1、中山・芝2500メートル)は第3コーナーからの"マクリ"を決めて優勝を果たした。

 そして今春は、3月末にUAEのドバイへ遠征し、ドバイシーマクラシック(G1、メイダン・芝2410メートル)で、仏ダービー馬のミシュリフ(牡4歳)と接戦を演じてクビ差の2着に惜敗。帰国後はじっくり休養とトレーニングに時間を費やしてきた。

 気になる体調だが、追い切りは折り合い重視の良好な動きを披露。その後に発表された馬体重は482キロと、有馬記念の474キロからさらに成長。斉藤調教師は、「帰国後の回復力が凄い」と目を細める。

 当日は雨の影響で馬場の悪化が予想されるが、昨年の本レースを見てのとおり、クロノジェネシスが名うての道悪巧者なのは既知の事実。手綱は、落馬負傷で戦線離脱している北村友一騎手から乗り替わるが、名手クリストフ・ルメール騎手であれば、本命の座は揺るがない。
 
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