6度目の防衛は涙とともに達成された。
7月4日に開催された女子プロレス団体「スターダム」の横浜武道館大会では、“赤いベルト”ことワールド・オブ・スターダム選手権がメインマッチとして行なわれ、林下詩美が刀羅ナツコを下してベルトを守った。だが、その結末は、まったく予想できないものだった。
前回の防衛戦、林下は朱里と延長戦含めて43分にわたる大激闘を展開。ベルトの価値、そして王者としてのグレードをさらに高めた。そこに新たな挑戦者として名乗り出たナツコにも、相当な自信があったのだろう。序盤のグラウンドで真っ向から勝負し、マウントポジションからの腕ひしぎ十字固めでチャンピオンをロープエスケープさせる。
“反則上等”なヒールユニット・大江戸隊を率いるナツコの実力派な一面がここに表れていた。だが、もちろん、刀羅ナツコという選手はそれだけではない。
林下が反撃に転じたところで大江戸隊のメンバーが介入。場外で林下に総がかりの攻撃を加えていく。荒れた展開のなか、場外にテーブルを設置すると、今度は王者を寝かせ、そこにナツコがボディプレスを敢行。しかも、林下が入場時に持っている薔薇を奪い、口にくわえながらの一撃だ。観客も含めて、周囲に対する挑発行為だと言っていい。
ダウン状態の林下にナツコは、畳みかけるようにエプロンからフットスタンプを敢行する。だが、この攻撃で試合が終わることになってしまった。
着地した際にナツコがヒザを負傷したのだ。動けない彼女を見て、レフェリーはドクターチェックを要求。「やるって!」と叫ぶナツコだったが立ち上がれない。結局、無念のドクターストップとなった。
11分33秒。ここからというところだったが、とても試合ができる状況ではなかった。担架に乗せられて退場していったナツコ。しかしマイクを握ってこう訴えている。
「足治ったら、最初に挑戦させろ! それまでクソみてえなテメーでもベルト持ってろ。お前の腰からベルト剥がすのは私なんだよ!」
チャンピオンも呼応する。
「その足、早く治してベルト獲りにこいよ。私もケガで欠場したことがある。悔しさは痛いほど分かる。ナツコとまた防衛戦するまで、ベルトは絶対守ります」
インタビュースペースでも、林下は、こんな言葉で王者としての決意を語った。
「防衛を重ねるたびに、防衛してきた相手の分も背負ってという気持ちが大きくて。今回に関しては刀羅ナツコの悔しい気持ちも背負って、ベルトを守り続けないといけない。守る理由があいつのために増えました」
【PHOTO】挑戦者の負傷でまさかのドクターストップ! 王者・林下の笑顔なき6度目の防衛…スターダム『YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Summer』をプレイバック!
7月4日に開催された女子プロレス団体「スターダム」の横浜武道館大会では、“赤いベルト”ことワールド・オブ・スターダム選手権がメインマッチとして行なわれ、林下詩美が刀羅ナツコを下してベルトを守った。だが、その結末は、まったく予想できないものだった。
前回の防衛戦、林下は朱里と延長戦含めて43分にわたる大激闘を展開。ベルトの価値、そして王者としてのグレードをさらに高めた。そこに新たな挑戦者として名乗り出たナツコにも、相当な自信があったのだろう。序盤のグラウンドで真っ向から勝負し、マウントポジションからの腕ひしぎ十字固めでチャンピオンをロープエスケープさせる。
“反則上等”なヒールユニット・大江戸隊を率いるナツコの実力派な一面がここに表れていた。だが、もちろん、刀羅ナツコという選手はそれだけではない。
林下が反撃に転じたところで大江戸隊のメンバーが介入。場外で林下に総がかりの攻撃を加えていく。荒れた展開のなか、場外にテーブルを設置すると、今度は王者を寝かせ、そこにナツコがボディプレスを敢行。しかも、林下が入場時に持っている薔薇を奪い、口にくわえながらの一撃だ。観客も含めて、周囲に対する挑発行為だと言っていい。
ダウン状態の林下にナツコは、畳みかけるようにエプロンからフットスタンプを敢行する。だが、この攻撃で試合が終わることになってしまった。
着地した際にナツコがヒザを負傷したのだ。動けない彼女を見て、レフェリーはドクターチェックを要求。「やるって!」と叫ぶナツコだったが立ち上がれない。結局、無念のドクターストップとなった。
11分33秒。ここからというところだったが、とても試合ができる状況ではなかった。担架に乗せられて退場していったナツコ。しかしマイクを握ってこう訴えている。
「足治ったら、最初に挑戦させろ! それまでクソみてえなテメーでもベルト持ってろ。お前の腰からベルト剥がすのは私なんだよ!」
チャンピオンも呼応する。
「その足、早く治してベルト獲りにこいよ。私もケガで欠場したことがある。悔しさは痛いほど分かる。ナツコとまた防衛戦するまで、ベルトは絶対守ります」
インタビュースペースでも、林下は、こんな言葉で王者としての決意を語った。
「防衛を重ねるたびに、防衛してきた相手の分も背負ってという気持ちが大きくて。今回に関しては刀羅ナツコの悔しい気持ちも背負って、ベルトを守り続けないといけない。守る理由があいつのために増えました」
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