現地時間6月28日、ボクシングのバンタム級に激震が走った。
事の発端となったのは、来月14日に、WBC同級王者のノニト・ドネア(フィリピン)との対戦が決定していたWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)に、ドーピング疑惑が浮上したからだった。
【動画】ダスマリナスに完勝! 井上尚弥が炸裂させた左ボディーでのKOシーンはこちら
カシメロ陣営は、ドネア戦に向けた薬物検査に必要な書類の提出を5日間も遅延。さらにVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)の検査について不満を述べ、相手の家族に対する侮辱発言(※後にカシメロ陣営が謝罪)も飛び出す始末。これにドネア陣営が不信感を抱き、急転直下で開催がご破算となったのだ。
この緊急事態を受けて、カシメロのプロモーターを務める『MPプロモーションズ』のショーン・ギボンズ氏は、ドネア戦よりも前に予定されていたWBA同級正規王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に再決定したことを発表。「この男(リゴンドー)には、まだまだ力が残っている」と一転して、相手にリスペクトを示すような"大人しい"コメントを残している。
一方で、リゴンドー側は意味深な行動を見せている。アマチュア時代を含め、キャリア269戦263勝の名手は、マッチアップ決定後の30日に自身のインスタグラムで「ファンが望む試合をする」と明言。そのうえでカシメロではない対戦相手の名を挙げている。なんとドネアと井上尚弥(大橋ジム)への対戦を呼びかけたのだ。
まず、リゴンドーはドネアに向けて「さぁ、ノニト・ドネア。俺とお前だけだ。君の準備ができているなら、こちらはどんな手を尽くしてでも戦う用意はする」と発信。続けて、日本語で「私たちは期待のレベルまで上昇するのではなく、トレーニングのレベルまで低下します」とメッセージを記した。意味は不可解だが、あえて日本語で投稿したところから推測するに、WBA、IBF世界バンタム級王者の井上への挑戦状と受け取るのが自然だろう。
リゴンドーはWBAのレギュラー王者であり、スーパー王者の井上の「格下」だ。つまり現時点で"モンスター"に立ち向かうことは難しい。そこでカシメロではなく、ドネアを倒したうえでの、3団体統一を目論んでいるのかもしれない。
いずれにしても、カシメロ戦が本当に実施されるのかも含め、バンタム級はしばらく落ち着きそうにない。
構成●THE DIGEST編集部
事の発端となったのは、来月14日に、WBC同級王者のノニト・ドネア(フィリピン)との対戦が決定していたWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)に、ドーピング疑惑が浮上したからだった。
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カシメロ陣営は、ドネア戦に向けた薬物検査に必要な書類の提出を5日間も遅延。さらにVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)の検査について不満を述べ、相手の家族に対する侮辱発言(※後にカシメロ陣営が謝罪)も飛び出す始末。これにドネア陣営が不信感を抱き、急転直下で開催がご破算となったのだ。
この緊急事態を受けて、カシメロのプロモーターを務める『MPプロモーションズ』のショーン・ギボンズ氏は、ドネア戦よりも前に予定されていたWBA同級正規王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に再決定したことを発表。「この男(リゴンドー)には、まだまだ力が残っている」と一転して、相手にリスペクトを示すような"大人しい"コメントを残している。
一方で、リゴンドー側は意味深な行動を見せている。アマチュア時代を含め、キャリア269戦263勝の名手は、マッチアップ決定後の30日に自身のインスタグラムで「ファンが望む試合をする」と明言。そのうえでカシメロではない対戦相手の名を挙げている。なんとドネアと井上尚弥(大橋ジム)への対戦を呼びかけたのだ。
まず、リゴンドーはドネアに向けて「さぁ、ノニト・ドネア。俺とお前だけだ。君の準備ができているなら、こちらはどんな手を尽くしてでも戦う用意はする」と発信。続けて、日本語で「私たちは期待のレベルまで上昇するのではなく、トレーニングのレベルまで低下します」とメッセージを記した。意味は不可解だが、あえて日本語で投稿したところから推測するに、WBA、IBF世界バンタム級王者の井上への挑戦状と受け取るのが自然だろう。
リゴンドーはWBAのレギュラー王者であり、スーパー王者の井上の「格下」だ。つまり現時点で"モンスター"に立ち向かうことは難しい。そこでカシメロではなく、ドネアを倒したうえでの、3団体統一を目論んでいるのかもしれない。
いずれにしても、カシメロ戦が本当に実施されるのかも含め、バンタム級はしばらく落ち着きそうにない。
構成●THE DIGEST編集部