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「ユウキはF1の財産だ」紆余曲折の角田裕毅に対するチーム首脳の評価は揺るがず!フェルスタッペンとの「類似性」にも言及

THE DIGEST編集部

2021.07.06

ここまでは苦戦している印象が強い角田。目に見える結果を継続的に残して来年のシート確保につなげたい。(C)Getty Images

 今季、期待と注目を集めながらF1デビューを飾り、ここまで9レースを戦ってきた角田裕毅。開幕戦バーレーン・グランプリでいきなり9位入賞を飾るなど才能の片鱗を見せた一方で、不必要なミスでチャンスを逃したりと、ルーキーらしい未熟さも垣間見せている。

 アルファタウリのフランツ・トスト代表やレッドブル・グループのヘルムート・マルコ顧問はシーズン前や開幕直後、この日本人ルーキーの速さやタイヤマネジメント、そしてレース運びを絶賛し、早期での勝利も望めると語っていたが、シーズンの中盤に差し掛かった今、首脳陣たちはいかなる印象を角田に抱いているのだろうか。

 この疑問に対し、トスト代表がオーストリアGPの前に行なわれたオランダの放送局『NOS』のインタビューの中で回答。このGPで15勝目を挙げたレッドブルのマックス・フェルスタッペンと角田の類似性について訊ねられたチーム代表は、以下のように語っている。
 
「確かに、似たところがある。それは、生まれ持っての才能だ。2人ともすぐに速さを見せつけ、ブレーキングをうまく習得した。そして、学習速度が非常に高い。ただ、角田に比べてマックスは、デビュー時の成熟度が少し高かった」

 この要因については、「父親の存在が大きい」という。マックスの父親ヨスといえば元F1ドライバーであり、1994年にJJ・レートの代わりにミハエル・シューマッハーのチームメイトとしてベネトンでデビューし、同年に2度表彰台に上がり、以降は5つものチームを渡り歩いて出走回数は107を数えた。97年に生まれた息子マックスに対しては、幼少期からプロのドライバーになるための訓練を施したことが知られている。

「ヨスの功績を認めなければならない。彼はマックスにとって、理想的な教師だった。その点、ユウキにはF1の経験を持つ父親がいないことで、ガイダンスや知識は不足している。したがって今年、彼のデビューイヤーは少しばかり厳しいものとなっているが、我々はここまでの彼にはとても満足している」