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「彼のDNAは攻撃性で占められている」角田裕毅が初実施の「スプリント予選」に“混沌”をもたらすと専門メディアが予想

THE DIGEST編集部

2021.07.14

そのドライビングテクニックが評価されている角田。まだ粗削りだが、長い目で成長を促していくようだ。(C)Getty Images

そのドライビングテクニックが評価されている角田。まだ粗削りだが、長い目で成長を促していくようだ。(C)Getty Images

 今週末に開幕するF1第10戦イギリスGPでは、今季より導入された「スプリント予選」が初めて実施される。

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 走行距離100km、約30分間のこのミニレースは、翌日の決勝の予選も兼ねて2日目の午後に行なわれ、上位3名にはそれぞれ3、2、1ポイントが与えられる。これまで初日午後に行なわれていたフリー走行2回目(FP2)がスプリント予選のグリッドを決めるための予選となり、FP2は2日目午前の実施となる。

 各方面から賛否両論が寄せられているこの新たな試みについては、これまでと異なるシチュエーションでいかなるレースが展開され、いかなる効果が表われるか、大きな注目を集めている。それは各国メディアも同様であり、英国の専門サイト『THE RACE』は、このセッションに“混沌”を生み出すかもしれないドライバーたちを特集した。

 ルイス・ハミルトンはスプリント予選について、「追い抜きはなく“トレイン(数珠つなぎの行列)”になるだろう。あまりエキサイティングな展開にはならないと思う」と予想しているが、同メディアはそれでも躊躇なく“仕掛けていく”者もいると見ているようで、「予想不能な動きを見せる可能性があるドライバーたち」と題された記事で、5人を選出している。
 
 まずアルピーヌのフェルナンド・アロンソについて「彼はチャンピオンシップでの順位に興味を示すよりも、自身の経験に裏打ちされた技術を披露することの方をはるかに重要視している。アゼルバイジャンGPのリスタートでも見せたように、チャンスがあれば“即興”で動くことができる」と綴った同メディアは、続けてヴァルテリ・ボッタス(メルセデス)の“猛プッシュ”を予想した。

「チームのために堅実な働きを見せるなど、落ち着いた雰囲気のパフォーマンスが印象的なボッタスだが、メルセデスでの将来が疑わしい今、別の一面を見せるかもしれない。これまでサポートしてきたハミルトンに対しても一切の妥協を見せず、懸命にプッシュしたとして、いったい彼が何を失うだろうか?」

 さらにフェラーリのシャルル・ルクレール、ウィリアムズのジョージ・ラッセルを挙げた同メディアは、やはりと言うべきか、スクーデリア・アルファタウリのルーキーである角田裕毅も、アグレッシブな動きを見せるであろうドライバーのひとりに加えている。

「ユウキは自分を抑えることができない。毎回、『僕はこれを教訓に、今後は無茶なプッシュはしません』と言いながら、また新たなインシデントが起きてしまう。彼のDNAは攻撃性で占められている。フランツ・トスト(アルファタウリ代表)は『遅いドライバーをスピードアップさせるよりも、速いドライバーを落ち着かせる方が簡単だ』と語ったが、そのプロセスはまだ初期段階にある」

“レース形式の予選”という複雑な位置づけにあるこのセッションに対し、チームや各ドライバーがいかにアプローチするかは非常に興味深い。角田についても、ポイント獲得を主目的とした堅実なレースを心掛けている今、スプリント予選で“攻撃性”を発揮するのかどうかは難しいところだが、この新たな方式を自身にとって有利なものとできることを期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】迫力満点のドライビングテクニック! 角田のレースシーンはこちら

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