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「日本の伝説だ」金メダルをもたらした上野由岐子の“389球”に米メディアも感嘆!「脱帽するしかない」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.28

宿敵アメリカを前に貫録のピッチングで立ちふさがった上野。39歳のベテランが日本を頂点に導いた。(C)Getty Images

 横浜の夜空に歓喜の声がこだました。

 東京オリンピック2020は7月27日、ソフトボール決勝が行なわれ、日本が2対0でアメリカに勝利。2008年北京オリンピック以来、13年ぶりとなる金メダルを獲得した。

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 大エースの好投が光った。先発起用された上野由岐子は初回に1死三塁のピンチを招いたが、そこを1三振と自身のファインプレーでなんとかしのぐと、そこからアメリカを寄せ付けず。4回に渥美万奈のタイムリー内野安打で、5回には2死二塁から藤田倭のタイムリーヒットで2点をもらうと、6回に先頭打者の出塁を許したところでマウンドを譲った。そして、後を受けた後藤希友がこの窮地を凌ぐと、上野はリエントリーで再びマウンドに上がり、最終回を三者凡退に抑えてみせた。

 今大会4試合に先発して389球を投げ抜いた上野。39歳のベテランエースの貫録のピッチングには、対峙したアメリカ・メディアも感嘆している。国内で最大級のネットワークを誇る放送局『ESPN』は、「アメリカチームにとって感慨深い勝利とはならなかったが、長年のライバルである日本との戦いは見応えのある激闘だった」とレポートし、こう続けた。
 
「ウエノは日本ソフトボール界の伝説だ。2008年の北京オリンピックで彼女が投じた413球は、この競技の歴史において最も印象的だと見られている。そんなウエノのパフォーマンスは、13年前と全く同じというわけではなったが、389球を投げ抜いた存在感は健在で、母国に再び勝利をもたらした」

 また、米スポーツ専門メディア『AZ Desert Swarm』は、「アメリカが13年間も待ちわびたリベンジのチャンスで、再び日本が立ちはだかった」と試合を振り返りつつ、「2008年の北京五輪でも優勝投手だった日本のエースであるウエノは、またアメリカを凌駕した。これは脱帽するしかない結果だ」と悔しさを滲ませつつ、その快投を称えた。

 3年後に開催されるパリ・オリンピックでは大会種目から除外されるソフトボール。東京を大いに沸かせた彼女たちが、ふたたび金メダルを争う日が訪れることを願いたい。

構成●THE DIGEST編集部

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