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マラソン・駅伝

「メリットはほとんどありません」仏ランナーの給水アクシデントに金哲彦氏が見解。給水時の改善案も提示

THE DIGEST編集部

2021.08.10

30キロ手前まで先頭集団で走ったモルア・アンドゥニ。(C)Getty Images

30キロ手前まで先頭集団で走ったモルア・アンドゥニ。(C)Getty Images

 東京五輪の男子マラソンで起きた“アクシデント”が波紋を呼んでいる。

 話題となっているのは、先頭集団の28キロ過ぎの給水シーンだ。小刻みなペースのアップダウンで集団のふるい落としがされるなか、フランスのモルア・アンドゥニは、なんとか食らいついていた。そして給水テーブルに差し掛かると、アンドゥニは水を上手く掴めず最前列に並べられていた水を片っ端からなぎ倒す形になった。

 これにイギリスの名物司会者ピアース・モーガン氏が「彼は競争相手の水を意図的に全て倒した…信じられない!」とライバルたちの給水を妨害する行為として問題視すると、たちまち炎上。

 その後アンドゥニは、「他の選手たちには申し訳なく思う」と自身のSNSで謝罪した上で、「激しいアップダウンと倦怠感の間で、僕は判断力とエネルギーを失っていた。台の手前から1つ取ろうとして、かろうじて最後に取ることができたんだ」とコメントしている。

 この一連の流れを受け、元陸上選手で現在は解説でお馴染みの金哲彦さんは自身の経験を踏まえ以下のように見解を述べた。

「現役時代、スペシャルドリンクを他の選手に倒された経験があります。今でも故意とは思ってません。一方で、給水を渡された経験もあります。競技マラソンは心身ともにギリギリの状態になる過酷なスポーツです」
 
 実際は同じテーブルの奥の列は倒していない上、数メートル先に設置されたテーブルの水は触れてもいないアンドゥニ。金さんは、「故意は理由と目的があるということ。他の選手を妨害する目的なら、すべてのテーブルで同じことをするはず。また、ライバルは前にも後ろにもたくさんいるので、自分へのメリットはほとんどありません。もしあるとするなら未必の故意ですね」と綴った。

 出場した106選手のなかで完走したのは76名という高温多湿の過酷な環境下で行なわれた同レース。金さんは、「夏のオリンピックでは、ゼネラルドリンクもスペシャルドリンクと同じように手渡しにするべきだということでしょう」と改善案を提示している。

構成●THE DIGEST編集部

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