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格闘技・プロレス

「もっと命を燃やせ!」インディーを熱くするTORU。“プロレスの王”鈴木みのるから感じた想いを後輩・瀧澤に伝授【TTT】

萩原孝弘

2021.08.16

力強いファイトで“エース”として矜持を示したTORU。そのパフォーマンスの裏に隠された想いとは?

力強いファイトで“エース”として矜持を示したTORU。そのパフォーマンスの裏に隠された想いとは?

<8月14日 東京・新木場1stRing 観衆123人>

 昨年6月の右肩脱臼からの手術を経て、今年1月17日に復帰を果たしたのが、プロレスインディー団体『TTT』のTORUだ。現在、彼は思い描いていたものとは程遠い状況に、忸怩たる思いを抱えている。

 自身の不在中に、団体を牽引していた佐山駿介が、ドクターストップにより6月の新宿大会でリングを降りたタイミングで新設された「TTT認定インディー統一無差別級王座」。TORUはそれを手にし、新たなエースとしてTTTを引っ張っていくつもりだった。しかし、壮大な野望は、6月に新宿FACEで行なわれたビッグマッチでのメインで、ヒール軍「渡鳥連合」を率いる藤原秀旺の前に完敗を喫し、儚く消えてしまったのである。

「6月の初代王者決定戦に敗れてしまったことは相当ショックが大きかったですね。初代王者決定戦に照準を絞ったことで、組んだばかりの大切な時期にT-oddsを自分のわがままで一旦休止したことは瀧澤にも本当に申し訳なかった」
 
 TTT所属となった瀧澤晃頼が、TORUを慕って結成したタッグチーム「T-oods」を成熟させるべき時期に、TORU自らがシングルのベルトに固執。しかもベルト奪取にも失敗したことに自責の念は自然と大きくなった。

 しかし、前大会でガッツ石島が発表した“TTT認定インディー統一タッグ初代王座決定トーナメント”開催が、「T-oddsがあったことで敗戦ショックを引きずらずにタッグ路線に切り替えることができた」とTORUの心に再び火を灯した。

「タッグチームとしての完成度は、日に日に上がってきていることは間違いない」と手応えも感じているが、まだパートナー・瀧澤晃頼に一抹の不安を感じているのも事実だ。実際、TORUは、こうも漏らしている。

「瀧澤に全幅の信頼を寄せれるまでには、まだ至っていない。組む試合は自分が事細かく指示を出してその通り動いてくれるが、今のところ“それ以上”ではない。組んでいない時の瀧澤の試合を見ても物足りなさがかなりある。

 自分もいま、様々な場所でいろんな経験値を積めている。自分が得たものをできるだけ瀧澤に還元したいし、それを組むことで吸収して“個”としても、もっといいレスラーになって欲しい。だからこのトーナメントを仮に優勝して初代タッグ王者になったとして、1回戦、準決勝、決勝と全て俺が勝って王者になるようなことがあればそれはあまり意味がないんじゃないかと思う。このトーナメントで“それ以上”を見せてほしい」
 
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