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「恥ずべき決断だ」砲丸投げのマレーシア選手が招集遅刻で金取り消し。繰り上がり金のウクライナ選手には中傷被害も【東京パラ】

THE DIGEST編集部

2021.09.01

前回大会王者が遅刻でDNSというまさかの結末を迎えた東京パラリンピックの陸上男子砲丸投げ。その問題が波紋を広げている。(C)Getty Images

前回大会王者が遅刻でDNSというまさかの結末を迎えた東京パラリンピックの陸上男子砲丸投げ。その問題が波紋を広げている。(C)Getty Images

 8月31日に行なわれた東京パラリンピックの陸上男子砲丸投げ(知的障がいF20)決勝で、世界新記録で優勝したマレーシアのムハンマドジヤド・ゾルケフリの金メダル取り消しが大会委員会で決まった。

 前回大会王者のゾルケフリは、自身が持つ世界記録を0.65メートル上回る17.94メートルのビッグスローを見せて優勝。しかし協議後にゾルケフリを含めた3選手が3分ほど遅れて招集場に到着していたと判明し、3選手にDNS(欠場)の処分が下されたのだ。

 この決定に3選手の所属連盟が抗議。そして9月1日に国際パラリンピック委員会は世界パラ陸上競技ルール5.5『招集所への報告失敗』に基づき、この訴えを却下すると判断。さらに処分によりウクライナのマクシム・コバルが金メダル。同じくウクライナのオレクサンドル・ヤロビーが銀、銅メダルにはギリシャのエフストラティオス・ニコライディスと繰り上がったと発表した。
 
 世界新での優勝後に処分を言い渡す大会運営に、マレーシアの厚生大臣カイリー・ジャマルディンは「これは恥ずべき決断。パラリンピックの精神に反する不名誉だ」と憤慨。さらに「招集ルームで違反なら、そもそも試合への出場を許すべきでなかった。卑怯だ。金メダルと世界記録を盗まれた」と言う。

 また、繰り上がり金メダルとなったコバルにはSNSで多くの非難が殺到している。国際パラリンピック委員会(IPC)の広報責任者クレイグ・スペンス氏は、「非常に暴力的」と残念がり、「申し訳ないですがルールはルールであり、決定は下された。マレーシア選手が遅れたのはウクライナ選手のせいではない」と述べている。

構成●THE DIGEST編集部

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