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報われないガスリーに元F1ドライバーが同情。レッドブルの「窮屈」な契約・境遇は「全てマルコによるものだ」

THE DIGEST編集部

2021.10.19

チームメイトの角田にも経験を含めた圧倒的な差を見せつけているガスリー。(C)Getty Images

 今季のF1において、ピエール・ガスリーの飛躍ぶりが目覚ましい。スクーデリア・アルファタウリのフランス人ドライバーは、ここまで74ポイントを獲得し、波乱のイタリア・グランプリで初優勝を飾った昨季の全獲得ポイントに早くもあと1と迫っている。

 ドライバーズランキングでは9位につけ、チームが目標とするコンストラクターズランキング5位を争うライバルと目されるアルピーヌの2人のドライバー(エステバン・オコン、フェルナンド・アロンソ)を上回り、アストンマーティンに対しては獲得ポイント数でセバスティアン・ヴェッテル、ランス・ストロールの合計数を超えている。

 チームメイトの角田裕毅(現在18ポイント)にも経験を含めた圧倒的な差を見せつけている25歳は、来季もアルファタウリの一員としてF1に参戦することが決定しているが、「もっと良いチャンスが与えられる資格が自分にはあったと思う」と、2019年以来のレッドブル再昇格が実現しなかったことに対して正直な気持ちを語っている(専門メディア『speedcafe.com』より)。
 
 しかし、「こういう決定が下されたとしても、モチベーションを失うことはない」と前向きな姿勢のガスリーは、自身が狙っていたポジションで2年目を迎えることが決まったセルジオ・ペレスに対しても、「この件について、セルジオは何も関係ない。これは僕の問題だし、契約や僕自身の将来に関するレッドブルとの間の話だ」とネガティブな印象はないことを強調。むしろ、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてプレッシャーを受け続けているメキシコ人に「僕も彼と同じ立場にいたから」と同情も示している。

「彼らは決断を下し、僕はそれに満足している。彼らは今、成功に満ちたシーズンを過ごしている」とレッドブルの決定に理解を示したガスリーは、しかしチャンピオンシップのトップに立つという子供の頃からの夢を諦めることはない。

「ここまでのキャリアを見れば、レッドブルに昇格するという目標は、驚くべきことではないだろう。勝利と表彰台を目指して戦える車に乗りたいと、僕は思っているし、それが今の目標だ。そのために毎日、朝から一生懸命に自身の向上に取り組み、レースに勝てるよう、より良いドライバーになろうとしている。これからもプッシュし続け、将来的にチャンスを得られればと思う。それを僕は望んでいる。チャンピオンシップのために戦いたい」