その他

【天皇賞・秋】注目の“3強対決”でグランアレグリアを推せる理由は? 藤沢調教師が自信「彼女の力をすべて発揮できるコース」

三好達彦

2021.10.30

スプリントGI、マイルGIに続く“3階級制覇”を狙うグランアレグリア。写真:産経新聞社

 第156回天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)が10月31日、東京競馬場で行なわれる。

【関連動画】G1レース5勝目をマークしたグランアレグリア、5月『ヴィクトリアマイル』での走りをチェック

 年を追うごとに世界的にスピード指向が強まり、以前はチャンピオン・ディスタンス(選手権距離)というと2400メートルのレースを指すのが常識だったが、その座が今ではより短い2000メートル戦にシフトしつつある。つまり種牡馬、繁殖牝馬として価値の高さを決める指標として、秋の天皇賞が重要性を増しているということである。

 今年は"3強対決"との見方が大勢を占めている。

 昨年、史上3頭目となる無敗の三冠馬となったコントレイル(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)。1200~1600メートルのG1レースで5勝を挙げているグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)。今年の皐月賞馬で、日本ダービーでも2着に食い込んだエフフォーリア(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)。いずれ劣らぬ実績を誇る3頭だ。
 
 率直に言って、この3頭の力が"抜けている"。加えて、スタート位置のセッティングから「外枠不利」が定説の東京の2000メートルだが(ちなみに直近4年では11番枠より外の馬は3着以内に入った馬がいない)、コントレイルが1番枠、エフフォーリアが5番枠、グランアレグリアが9番枠と、極端な外枠に入った馬がいないことも手伝って、焦点はこのなかでの順列をどう付けるかにかかってきたと思われる。

 筆者が1番手に取り上げたいのはグランアレグリアだ。

 春の大阪杯(G1、阪神・芝2000メートル)は、初の中距離、初経験となるコーナー4つのレース、加えてタフな馬場状態(「重」発表)と、難しい条件が重なって4着に敗れた。

 しかし今回は持ち前のスピードが存分に活かせる良馬場が確定的なうえ、G1レース2勝を含む〔4・1・0・1〕と相性の良さを見せる東京コースが舞台となるのは強みで、藤沢調教師は「ワンターンの広々とした東京こそ彼女の力をすべて発揮できるコース」と自信をのぞかせている。

 休養中に喉の疾病(喉頭蓋エントラップメント)の手術を受けたが、幸いに軽症で、すぐに乗り出せたという。実際に追い切りで見せた脚さばきのシャープさは往時と変わらない素晴らしさだった。
 
NEXT
PAGE
コントレイル、エフフォーリアの評価は?