F１はここまで18戦を終え、残り４戦。マックス・フェルスタッペン（レッドブル）とルイス・ハミルトン（メルセデス）の熾烈なチャンピオン争い同様、コンストラクターズランキングにおいても、幾つも激戦が展開されている。

　角田裕毅が所属するスクーデリア・アルファタウリは今季、５位を目標に掲げているが、現在は６位。ただ、５位のアルピーヌとは106ポイントで並んでおり、両者の差は最高順位（エステバン・オコンが１位、ピエール・ガスリーが３位）の違いだけである。

　７位のアストンマーティンとは38ポイント差がついている今、「ルノー」から名前を変えたフランス国籍のチームとイタリア・ファエンツァのチームによる一騎打ちの様相を呈しつつあるが、前者のエステバン・オコンはメキシコGPの前、今後の争いについて「スピードではアルファタウリを上回ることはできず、理論上ではライバルを打ち負かせない」と語りながら、以下のように続けた（専門メディア『planetf1』より）。
  「チームの２人のドライバーがポイントを積み重ねたという事実が、アルファタウリとの違いを生んでいる。我々はコンスタントに１～３ポイントを獲得し、可能な場合は両方の車でトップ10に入っている」

　自身とフェルナンド・アロンソの両ドライバーがポイント獲得ということでチームに貢献しているのに対し、アルファタウリはガスリーの貢献度が偏って高いというのが、同じフランス人ドライバーの見解。確かに、アメリカGP終了時点でガスリーが74ポイント、角田が20ポイントと、両者の差は大きく、メキシコGPの後にはさらに12ポイント開くこととなった。

　しかし、ここ数レースでの角田の成長ぶりは、多方面から認められている。アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パーマンもそのひとりで、この英国人は「事実は、アルファタウリが我々よりも速い車を手に入れているということだ。５位争いは非常にタフだ」と今後の厳しい展望を示すとともに、「（アルファタウリは）オースティンでのレース（アメリカGP）まではドライバーはひとりだけだったが、もうひとりが効果的な働きを見せるようになり、２人のドライバーを手に入れた」と日本人ルーキーにも言及している。