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ゴルフ

残り2戦で賞金差は約1700万円――。稲見萌寧が腰痛抱えながらも“9打差圧勝”できた理由とは?

山西英希

2021.11.15

節目の通算10勝目を飾った稲見。腰痛を抱えてのプレーながら、2位以下に9打差をつける圧勝劇だった。(C)Getty Images

節目の通算10勝目を飾った稲見。腰痛を抱えてのプレーながら、2位以下に9打差をつける圧勝劇だった。(C)Getty Images

 激しい賞金女王争いが繰り広げられている国内女子ツアー。11月14日に行なわれた『伊藤園レディスゴルフトーナメント』の最終ラウンドでは、賞金ランク首位を走る稲見萌寧が7バーディ・ノーボギーの「65」で回り、通算17アンダーで今季9勝目&通算10勝目を飾った。

【動画】「二桁勝利、地元Vがうれしい」稲見の優勝スピーチをチェック!

“誰もが勝てないぐらいの圧倒的な実力をつけたい”というのが、稲見にとって目標でもあり、夢でもあるが、最終日はそれに近いゴルフをできたのではないだろうか。

 2位の上田桃子と1打差でスタートしたこの日、前半の9ホールを終えた時点でその差は5ストロークまで開いていた。代わってスコアを伸ばしてきた西郷真央が一時は3打差にまで迫ったものの、稲見に焦る様子は全く見えない。

 12番から3連続バーディを奪い、一気にその差を6ストロークまで引き離すと、終盤も2つのバーディをマーク。気がつけば2位以下に9打差をつけてのフィニッシュとなった。
 
 先月は『マスターズGCレディース』で腰を痛めて棄権し、翌週の大会を欠場。実は今大会もヘルニアの疑いがあるなか、連日痛み止めを服用しながらのラウンドだった。

 その影響からか何とかフルスイングはできているものの、やはり違和感は否めない。稲見の場合、鍛え抜いた体幹を軸とした体のキレでクラブを振り抜くタイプだが、現在は腰が固まって動かない状態のため、どうしてもインパクト以降の動きが気になるという。

 そんな状態でもスコアを伸ばせた要因はパッティングにある。

 ツアーに復帰した先週と同様、今週はボールを打つ数を減らしたものの、パッティング練習の時間だけは減らさなかった。思うようにショットを打てない分、パッティングでカバーしようと思ったからだ。

 いくら痛み止めを服用しているとはいえ、いつスイングに影響が出るか分からない。保険をかける意味でもパッティングの調子は上げておきたかった。

 実際、その作戦は見事に成功する。初日の前半こそ16パットという数字だが、後半は13パットにまとめ、2日目以降も26、27パット。ちなみに3日間の平均パット数は27.33で今大会1位の安定感だった。
 
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