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「とにかくバテない」サークルオブライフが阪神JFを制覇!痛快な末脚で牝馬クラシックの主役に名乗り

三好達彦

2021.12.14

大外へ進路を取ったサークルオブライフが、豪快に末脚を伸ばして栄冠を手にした。写真:産経新聞社

大外へ進路を取ったサークルオブライフが、豪快に末脚を伸ばして栄冠を手にした。写真:産経新聞社

 12月12日、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ・芝1600m)が行なわれ、ミルコ・デムーロ騎乗の3番人気、サークルオブライフ(牝2歳/美浦・国枝栄厩舎)が優勝。2着には8番人気のラブリイユアアイズ(牝2歳/美浦・黒岩陽一厩舎)、3着には4番人気のウォーターナビレラ(牝2歳/栗東・武幸四郎厩舎)が入った。

 一方、1番人気のナミュール(牝2歳/栗東・高野友和厩舎)は出遅れが響いて4着に敗れ、2番人気のステルナティーア(牝2歳/美浦・木村哲也厩舎)は7着に大敗した。

 久々にミルコ・デムーロ騎手の剛腕が唸った。

 ナミュールの出遅れで観客が騒然とするなかで始まったこのレース。先行勢を先にやってウォーターナビレラが3番手に付け、ステルナティーアは中団、ナミュールは鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手が腹を括って17番手に控えて機を待った。

 1000mの通過ラップは59秒0と、やや速めのミドルペース。3コーナー過ぎから後方の馬も手綱を動かしながら追撃態勢に入り、馬群は直線へ向いた。
 
 坂上で早めに仕掛けて先頭に躍り出たのはウォーターナビレラで、そのまま押し切りを図るが、それをターゲットに後続が一気に襲い掛かる。そのなかでひと際目立ったのが、大外へ進路を取ったサークルオブライフ。豪快に末脚を伸ばしてウォーターナビレラを飲み込むと、中団から迫ったラブリイユアアイズを半馬身抑えてトップでゴールを駆け抜け、栄冠をものにした。

 ウォーターナビレラはさらに半馬身差の3着に粘り、直線で馬場の荒れた最内へ突っ込んでスパートしたナミュールもよく追い込んだが、僅差の4着に入るのがやっとだった。

 サークルオブライフは、初戦を3着に取りこぼしたものの、次走の未勝利戦を圧勝。続くアルテミスステークス(GⅢ)をクビ差で制して、重賞初制覇の勢いそのままに女王の座を射止めた。

 ダッシュの鈍さに課題は残すものの、ミルコ・デムーロ騎手が「ストロングポイントは、とにかくバテないこと」と称賛する、末脚の息の長さは一級品。後方から追い込んでくるそのレースぶりは痛快でさえある。脚質ゆえに展開に左右される面はあるだろうが、来年の牝馬クラシックで主役を務めるのは間違いないだろう。

 血統面に目を移すと、父は昇竜の勢いを見せるエピファネイア。牝馬三冠のデアリングタクト、今年の皐月賞、天皇賞(秋)を制したエフフォーリアに続いて、またも大物を送り出した。500万円からスタートした種付料が、来年度は1800万円にまで高騰したのも頷ける素晴らしさだ。
 

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