一方的な“攻撃ショー”に対戦国メディアも脱帽するしかない。

　12月14日、東京・両国国技館にてWBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチが行なわれ、統一王者の井上尚弥（大橋ジム）が、WBA10位・IBF５位のアラン・ディパエン（タイ）と対戦。８回TKOで勝利し、スーパー王座のWBAでは６度目、IBFでは４度目の防衛に成功した。

　序盤は互いに様子を見合ったものの、３回以降は井上が一方的に攻め続ける展開となった。驚異的なタフネスを見つけるディパエンだが、モンスターは攻撃の手は緩めない。そして８回に左ストレートでダウンを奪い、ふたたび立ち上がったディパエンに容赦なくラッシュをかけ、そこでレフェリーストップとなった。
  　このTKO劇には、ディパエンの地元メディアでも衝撃が広がっている。タイのポータルサイト『Khaosod Online』は速報記事で井上を「ボクシング界のスーパースター」と紹介し、「２年ぶりの凱旋試合でも素晴らしいパフォーマンスを見せた」と称えた。

　一方、無数のパンチを浴び続けながらも、８回まで耐えたディパエンについては「日本のボクシングファンが拍手を送るまで、イノウエに立ち向かってみせた」と労いのコメント。井上の圧倒的な強さだけでなく、ディパエンのタフさも観るものを驚かせた一戦だった。

　試合後には「俺、パンチないのかなと感じてしまうくらいタフでしたね」と対戦相手を称賛した井上。気になる次戦については、ドネアとの再戦に加え、スーパーバンタム級に転向する可能性も示唆したが、はたしてどうなるか。今後のマッチメイクからも目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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