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朝日杯FSで推したいのは、セリフォスを超える魅力のジオグリフ!ドウデュース、ドーブネが見劣りするのは仕方ない

三好達彦

2021.12.17

札幌2歳ステークスで見せたジオグリフのインパクトは絶大だった。写真:産経新聞社

 2歳のマイル王を決める朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、阪神・芝1600m)が12月19日に行なわれる。1週後に控えるホープフルステークス(GⅠ、中山・芝2000m)よりも充実したメンバーが揃った注目の一戦。来年のクラシック戦線を賑わすに違いない素質馬たちのプロフィールを見ていこう。

 上位人気になることが予想されるのは、3戦無敗で重賞2連勝中のセリフォス(牡2歳/栗東・中内田充正厩舎)と、デビューから2連勝で札幌2歳ステークス(GⅢ)を制したジオグリフ(牡2歳/美浦・木村哲也厩舎)。それに加えて、僅差ながらデビューから2連勝しているダノンスコーピオン(牡2歳/栗東・安田隆行厩舎)あたりまでが単勝10倍を切ってくるのではないか。

 評価が一番高いのは、2018年に本レースを制したアドマイヤマーズなど、マイル戦で多くの活躍馬を出しているダイワメジャー産駒のセリフォス。マイル戦ばかりを3回走り、無敗であることに加え、同じ舞台で開催されたデイリー杯2歳ステークス(GⅡ)を制しているのも強みだ。

 末脚の鋭さが秀逸で、新潟2歳ステークス(GⅢ)では上がり3ハロン32秒8という驚異的なキレを見せている。また、やや時計がかかったデイリー杯2歳ステークスでも33秒4の上がりで勝利をモノにしており、いくぶんかタフなコンディションになっている今開催の阪神でも能力の減衰はみられない。
 
 課題となるのは、ダイワメジャー産駒にしばしば見られる気性の激しさで、パドックでチャカつくのがデフォルトになっている。陣営がテンションが上がり過ぎないように調教内容の工夫で対処しているが、今回の鞍上が初騎乗のクリスチャン・デムーロ騎手であることも含め(名手であることは承知しているが)、やや不安が残るのも確かだ。

 未知の魅力に惹かれるのが、新種牡馬ドレフォン(ブリーダーズカップスプリントなど米国のダートGⅠを3勝)の仔、ジオグリフである。

 ここまでの2戦はいずれも1800m戦で、東京での新馬戦を1分48秒2の好タイムで勝ち上がると、タフさも要求される洋芝の馬場で行なわれた札幌2歳ステークスでは、後方からまくって直線で突き抜け、2着に4馬身(0秒7)もの差を付けて圧勝している。この走りのインパクトの強さは出走馬中、随一のものだった。

 約3か月半ぶりの実戦になるが、追い切りでは3頭併せの形で行なわれ、余裕をもった手応えで併入。仕上がりは上々で、「能力の底を見せていない」という意味で、筆者はセリフォスのそれを超える魅力を感じており本馬を中心視したい。