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「フィギュアの発展、そして未来だ」4A挑戦の羽生結弦にロシア選手権王者がエール! 影響を受けたプログラムにも言及

THE DIGEST編集部

2021.12.28

世界の頂点に立ってもなお、前人未到の挑戦を続ける羽生。その存在がフィギュア界に与える影響力は計り知れない。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 先日、幕を閉じた全日本フィギュアスケート選手権。男子シングルでは、ショートプログラム(SP)、フリースケーティング(FS)ともに圧巻の演技を見せた羽生結弦が連覇を飾り、ソチ、平昌に続く3大会連続の五輪切符を手にした。

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 今大会でとりわけ注目を集めたのは、その勝敗以上に4回転半ジャンプ(クワドアクセル)の成否だった。結果としては回り切れずにダウングレード判定となったものの、公式戦初の挑戦で転倒せずに両足着氷。その後は残るジャンプを全て成功させ、非公認ながら今季世界最高スコアの総合322.36点をマークしてみせた。

 右足首のけがから復帰したシーズン初戦から、貫録の滑りを見せた羽生。そのパフォーマンスには各方面から賛辞の声が相次いでいるが、同時期のロシア選手権で男子シングルを制した、マーク・コンドラチュクもそのひとりだ。ロシア通信社『RIA Novosti』のインタビュー内容を、同国メディア『R-sport』が伝えている。
 
 記事によると、コンドラチュクは自身が影響を受けたプログラムについて、アレクセイ・ヤグディン氏の『仮面の男』、羽生の『SEIMEI』を選出。「彼らはすべてにおいて完璧」と印象を明かすと、「何十回観ても新しい発見がある。最初は気づかないようなアクセントやちょっとした動作が、やがて感動を引き起こすんだ」と続けた。

 また、コンドラチュクが『SEIMEI』を見たのは「12、13歳くらいのとき」だといい、「それが素晴らしいものだと気づいた」とのこと。今回、羽生が挑戦した4Aについては「フィギュアスケートの発展、そして未来だ」と語ったうえで、「もちろん、成功させてもらいたい。頑張ってほしいと願うのみだよ」とエールを送った。

 他国のトップスケーターからも尊敬の眼差しが注がれる羽生。はたして来年2月の北京五輪まで、4Aをどこまで完成に近づけてくるのだろうか。アイスプリンスが新たな歴史を刻む瞬間を、世界中のファンが固唾を呑んで見守っている。

構成●THE DIGEST編集部