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格闘技・プロレス

キャリア14年目での涙の戴冠劇! 絶対王者・林下詩美との“超激闘”を制した朱里が掲げる「朱世界」とは?

橋本宗洋

2021.12.30

林下との熱戦を制して2冠王となった朱里。その目には涙が溢れ出た。(C)スターダム

林下との熱戦を制して2冠王となった朱里。その目には涙が溢れ出た。(C)スターダム

 文字通りの“涙の戴冠”だ。3カウントが入った瞬間から涙が止まらなかった。

 12月29日、スターダムの年間最終戦となるビッグマッチ、両国国技館大会。そのメインは“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダムのタイトルマッチだった。

 王者の林下詩美はこれが10度目の防衛戦となる。その力強い闘いで2021年の女子プロレス大賞も受賞した。かたや挑戦者は朱里。ハッスルでデビューし、格闘技の世界では立ち技イベント「Krush」、総合格闘技「パンクラス」でそれぞれベルトを巻き、さらには世界最大の格闘技団体「UFC」にも参戦してきた。

 UFCでの闘いを終えてプロレス界に戻った朱里は、事実上のフリーとしてさまざまな団体で活躍。2019年11月にスターダムに入団したのは、このリングでの闘いに集中し、現在の女子プロレス最高峰である赤いベルトを獲るためだった。立ち技、総合、プロレスすべてで大きな結果を出し、その年の9月に亡くなった最愛の母に捧げたいという思いも強かった。キャリアは14年目。気づけば、スターダムよりも長くなっていた。

 6月のタイトルマッチでは、規定の30分に加え延長再試合でも決着がつかなかった。合計43分19秒闘って、結末は両者KO。そしてシングルリーグ戦「5★STAR GP」で朱里が優勝し、挑戦権を得た今回の両国決戦は、完全決着を期するため、時間無制限一本勝負となった。そして、朱里は自らが保持するSWA世界王座も懸けた。この2冠選手権にすべてを注ぎ込んだのだ。

 これまで優劣がつかなかった相手に勝とうとすれば、当然ながら試合は激しくなる。朱里はエプロンの林下にギロチンドロップ。林下は場外でパワーボムを繰り出した。リング内では朱里が得意の蹴り、張り手で追い込む。林下はラリアットにハンマーパンチ、ドロップキック、ミサイルキックとシンプルかつ重たい打撃を繰り出していく。

 朱里の関節技は林下がロープへ逃げ、林下の必殺技である旋回式ハイジャック・ボムはカウント2で朱里がロープに手をかけた。どちらが勝つか最後まで分からない。それ以上に、どちらもタフすぎてどうやったら試合が終わるのか予想できない。

 まさに超が付く激闘のフィニッシュになったのは、朱里の新技だった。必殺技である流炎を、相手を肩車した状態から繰り出した。この日のために用意した「朱世界」だ。これが完璧に決まり、ついに3カウントが入った。
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