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マラソン・駅伝

【箱根駅伝】前回王者の駒大はなぜ青学大に完敗?2強対決の明暗を分けたポイントを探る

酒井政人

2022.01.05

10000m日本人学生最高の27分23秒44を持つ田澤。2区では区間賞の走りでチームをトップに押し上げた。写真:JMPA

10000m日本人学生最高の27分23秒44を持つ田澤。2区では区間賞の走りでチームをトップに押し上げた。写真:JMPA

 前回王者で11月の全日本大学駅伝でも連覇を達成。箱根駅伝の登録選手上位10人の10000m平均タイムは過去最速となる28分24秒65に到達していた駒澤大は、それでも青山学院大に“完敗”した。なぜ最速軍団は勝つことができなかったのか。

 駒大はエース田澤廉(3年)でトップに立つと、2区終了時で青学大に1分2秒のリードを奪う。順風満帆の出だしに見えた。しかし、3区安原太陽(2年)が青学大・太田蒼生(1年)にかわされると、5位まで転落。4区花尾恭輔(2年)も全日本大学駅伝のアンカー対決で先着した青学大・飯田貴之(4年)に56秒も引き離された。

 5区金子伊吹(2年)が区間4位と大健闘するも、トップを独走した青学大とは芦ノ湖で3分28秒という大差がついていた。「この差は厳しいですけど、箱根駅伝は何が起こるかわからない。7区以降で少しずつ近づいていきたい」と大八木弘明監督は神妙に話していたが、復路でも青学大の背中が遠くなる一方だった。

 復路は当日変更で最大となる4人をチェンジ。8区には鈴木芽吹(2年)を投入したが、結果的には裏目に出てしまう。右大腿部骨折から復帰した鈴木は茅ヶ崎(6.7㎞地点)を2位で通過するなど前半は快調に見えた。しかし、終盤に大きく崩れ、戸塚中継所には痛々しい姿で現れた。

「芽吹は疲労骨折が治って、大丈夫かなと思っていたんですけど、急に動きがおかしくなったので、前のような状態になったかもしれません。レース中に痛めたのは大腿じゃなくてお尻の方です」(大八木監督)
 
 鈴木は区間18位に沈み、6位まで順位を落とした。それでも終盤は底力を発揮する。9区山野力(3年)で4位に浮上。10区青柿響(2年)は中央大を逆転すると、最後は東洋大との激戦を制して、トップ3を確保した。

 前回王者として意地を見せた駒大だが、大八木監督は、「今回は大変でしたね」とレースを振り返った。2区でエース田澤が区間賞に輝くも、3区が区間16位、7区が区間10位、8区が区間18位。

「区間二桁が3区間もあったら勝てないですよ。芽吹のところでだいぶ違いますし、3区も違う。全体的にはスタミナ不足かな。コロナ禍でハーフに出られなかった影響もあるかなと思いますね。3区にエントリーしていた佐藤条二(1年)は心肺機能が低下するなど体調が良くなかったので外しました。故障者がいたのでベストメンバーを組めなかった。やり直しですね。ただ初めて出場した選手のなかではしっかり走った選手もいるので、来季につなげたいなと思います」(大八木監督)
 
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