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高梨沙羅&小林陵侑の“アベック金メダル”なるか?スキージャンプの両エースに快挙を期待できるワケ【北京五輪】

矢内由美子

2022.02.02

男女エースとして大きな期待がかかる小林(右)と高梨(左)。はたして表彰台の頂点に立てるだろうか。(C)Getty Images

 日本ジャンプ界の男女エースが2月4日に開幕する北京五輪へ向け、臨戦態勢を整えている。ノルディックスキー男子ジャンプの小林陵侑(土屋ホーム)と、女子ジャンプの高梨沙羅(クラレ)だ。

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 ふたりはともに1996年生まれの25歳であり、個人や混合団体で金メダルを狙える状況にいる。なかでも小林は今季、年末年始の4試合で争う「ジャンプ週間」にて自身2度目の総合優勝を飾った。ジャンプ週間は53年にスタートした伝統の大会であり、今回は4戦中3勝を挙げている。

 初優勝した2018―19シーズンに続く4戦全勝とはならなかったが、約1週間にわたって好調を維持し続けたことに、本人は大きな手応えを感じている様子だ。

 北京大会は2度目の五輪舞台となる。初出場の平昌五輪は日本人最高成績を残したものの、ノーマルヒル7位、ラージヒル10位と、上位争いに絡めなかった。それから4年。今や世界ナンバーワンと目されている存在だが、シーズン序盤戦はなにやら不穏なムードに包まれていた。

 まずはワールドカップ(W杯)開幕第2戦で、スーツの規定違反による失格を言い渡されると、11月下旬には新型コロナウイルスに感染。再検査は行なわれず、そのまま10日間の隔離生活へ。4試合を欠場することになった。
 
 さすがに「イライラすることが多かった」と小林はぼやいていたが、今の彼にはちょっとやそっとのことでは崩れない確かな技術と、突然のアクシデントにも屈しない強靱なメンタルがある。ジャンプ週間総合優勝はその証だった。

 女子のエースである高梨にとって北京五輪は、17歳で初出場したソチ五輪、個人で銅メダルをもぎ取った平昌五輪に続いての大舞台となる。「自分にとっては3度目の五輪。この4年間で作り上げた自分のジャンプをみてもらいたい。メダルを獲ることを目指して頑張りたい」と大いに意気込んでいる。

 今季は序盤で苦しんだものの、元日に今季W杯初優勝を飾り、本番に向けてしっかり調整していると感じさせた。また、この勝利により、女子W杯が始まった11-12シーズンから11年連続の優勝という快挙を成し遂げたほか、昨年には、W杯史上最多となる108回の表彰台記録を更新している。圧倒的な継続力も高梨のすごさを表している。
 
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高梨が北京五輪の前に見せた“ある賭け”とは?