井上は2012年のプロデビューから22戦無敗。そのうち19戦がKO勝ちという規格外の強さを誇っている。コロナ禍で悩まされた昨年も2戦連続TKO勝利を収め、「バンタム級とは思えない衝撃」(英メディア『talkSPORT』)と海外メディアを感嘆させた。
元世界ヘビー級王者であり、"鉄腕"の異名で知られるマイク・タイソン(アメリカ)をして「ヤツはとんでもない」と言わしめる井上。そんな28歳の絶対王者に果敢に挑む戦士が現れた。
「イノウエ、俺はいつでも準備ができている」
地元専門メディア『Phil Boxing』で、そう勇ましく語るのは、ジョナス・スルタン(フィリピン)だ。WBAバンタム級10位ながら、2017年には判定の末に、あのジョンリエル・カシメロ(フィリピン)を撃破した猛者である。
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昨年10月には、プエルトリコのカルロス・カラバロを下し、WBOインターコンチネンタルバンタム級王座を獲得。スルタンは、同階級でのさらなる飛躍を狙うべく、"大物食い"を画策している。
そこで狙いをつけたのが、日本の最強戦士だった。「ワンパンマン」の愛称を持つ30歳は、『Phil Boxing』で、こう訴えた。
「これまでも言ってきたが、対戦するとなれば、プレッシャーがかかるのは向こうで、こっちは恐いものはない。それにふたりのフィリピン王者(カシメロとノニト・ドネア)とはやりたくない。だから、イノウエとやりたい。どんな場所やルールだろうと良い準備するだけだ。俺は止まらない」
カシメロと同じMPプロモーションに所属するスルタンだけに、さらに強いアピールを続ける可能性もある。そうなったときに、今年6月のビッグマッチを予定する井上がどう反応するかは興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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