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ジャンプ混合団体の5人失格に“介入”指摘の審判員が関与を否定!「ある人は嘘をついている」と怒りの主張も【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.11

涙のジャンプが世界を驚かせた高梨。彼女を失格となった真相はいったい何なのか。その問題解明がカオスさを増している。(C)Getty Images

 世界を騒然とさせた"スーツ規定問題"は、いまだ波紋を広げ続けている。

 発端となったのは、2月7日に行なわれた北京冬季オリンピックのスキージャンプ混合団体だ。日本の高梨沙羅ら4か国の5人の女子選手が「スーツの規定違反」という理由で失格となり、各国から「茶番だ」という怒りの声が噴出したのだ。

 競技後、真っ先に責任を問われたのは、国際スキー連盟(FIS)から派遣され、試合のマテリアル・コントローラーを務めたポーランド人のアガ・バチコフスカ氏だった。高梨と同様の理由で失格となったシリエ・オプセット(ノルウェー)は、「全く異なる方法でスーツを測定していて、これまでとは違う方法で立つように言われた」と明かし、その方法に異論を唱えた。

 そうしたなかで、ドイツ・メディア『Watson』などが、通常であれば女性が務めるはずの女子の測定に男子担当者であるフィンランド人のミカ・ユッカラ氏が介入したとすっぱ抜き、騒動の原因追及は混迷を深めている。

 FISの動向が注目されるなかで、"渦中の身"となってしまったユッカラ氏が沈黙を破った。スキージャンプ界でも極めて厳格なジャッジをするとして知られる同氏は、ドイツの放送局『n-TV』の取材に対して「失格はすべてアガ・ボンチフスカによって行なわれたことだ」と証言。そのうえで、自らの関与を否定した。

「ある人は、私が競技中に女性の検査室にいたと嘘をついている。これは真実ではない。私は男子選手の方を検査していたから、まったく不可能なことだ。私は女子選手に対しては、何もしていない」
 
 "潔白"を主張したユッカラ氏は、こうも続けている。

「シーズン中から、例年以上に厳格なルールを順守し、より綿密なチェックを実施してきている。その結果は、男子の競技を見ていただければわかると思う。彼らのスーツは以前よりもずっと規定通りのものとなっている。これによって公平性が増し、我々のスポーツはより安全なものへと導かれている」

 2月10日には、全日本スキー連盟がFISに文書を提出する意向を明らかにした同問題。日増しに波紋が大きくなっている印象は否めないが、今後、明確な答えが出るのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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