世界中で物議を醸した“騒動”が、ルールをあらためるキッカケになるのかもしれない。
去る2月7日に行なわれた北京五輪スキージャンプ混合団体での失格騒動が波紋を広げているのは、周知の通りだ。日本の高梨沙羅ら4か国の5人の選手が、着用したスーツの規定違反という理由で失格となった。
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各国メディアが「茶番だ」と嘆いたこの問題で明るみとなったのは、検査の在り方だ。
情報は錯そうしているが、女子選手を検査したアガ・ボンチフスカ氏によるチェック方法の急な変更や、男子選手の検査官であるミカ・ユッカラ氏による女子選手の検査への介入など、さまざまな指摘がされている。
人間によるチェックの限界を露呈した。そんな現状を打破すべく、興味深い改革案を提案したのが、スキージャンプ界の重鎮であるマルティン・シュミット氏だ。
2002年のソルトレークシティー五輪で金メダルを手にしたレジェンドジャンパーは、欧州のスポーツ専門放送局『EURO SPORT』のドイツ版で、一連の問題について「解決は簡単ではない」と見解を示している。
まず、シュミット氏は、競技後の抜き打ちではなく競技前への変更を求める声が出ている検査のタイミングについて、「ジャンプの前に2階に上がっている全員をチェックすることはできない。それは選手たちの精神的な問題もあるから実行はできないんだ」と断言。そのうえで、自身が提唱するアイデアを披露した。
「僕が考える最も明確な解決方法は、3Dスキャナーだね。これを導入すれば、明確な基準が生まれるし、人的なミスを除くこともできる」
実際、国際スキー連盟(FIS)は今後の小規模大会における検査の機械化を検討していると言われている。いまだ技術的な問題はあるが、業界で小さくない影響力と発信力を持つシュミット氏の推奨によって導入に向けた動きが加速する可能性もある。
百戦錬磨の猛者は、スーツの規定に関して「ジャンパーにとって何がいいのかを考える必要がある」と明言。より選手が力を発揮しやすい規定に変更するべきと主張した。
「競技に明らかな影響を及ぼすサイズを制御するための最低限の基準は必要だ。だけど、一方でチームにより多くの自由を与えることができる領域もある。たとえば、肩の部分にもう少しエアーを入れるとかは、スキージャンプに適していると思う。股の部分は非常に正確にチェックする必要があるだろうけどね」
より正確な結果が得られる検査の機械化は、高梨のように涙する選手を生まないための妙案ではある。はたして、揺れるスキージャンプ界はどう変わっていくだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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去る2月7日に行なわれた北京五輪スキージャンプ混合団体での失格騒動が波紋を広げているのは、周知の通りだ。日本の高梨沙羅ら4か国の5人の選手が、着用したスーツの規定違反という理由で失格となった。
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人間によるチェックの限界を露呈した。そんな現状を打破すべく、興味深い改革案を提案したのが、スキージャンプ界の重鎮であるマルティン・シュミット氏だ。
2002年のソルトレークシティー五輪で金メダルを手にしたレジェンドジャンパーは、欧州のスポーツ専門放送局『EURO SPORT』のドイツ版で、一連の問題について「解決は簡単ではない」と見解を示している。
まず、シュミット氏は、競技後の抜き打ちではなく競技前への変更を求める声が出ている検査のタイミングについて、「ジャンプの前に2階に上がっている全員をチェックすることはできない。それは選手たちの精神的な問題もあるから実行はできないんだ」と断言。そのうえで、自身が提唱するアイデアを披露した。
「僕が考える最も明確な解決方法は、3Dスキャナーだね。これを導入すれば、明確な基準が生まれるし、人的なミスを除くこともできる」
実際、国際スキー連盟(FIS)は今後の小規模大会における検査の機械化を検討していると言われている。いまだ技術的な問題はあるが、業界で小さくない影響力と発信力を持つシュミット氏の推奨によって導入に向けた動きが加速する可能性もある。
百戦錬磨の猛者は、スーツの規定に関して「ジャンパーにとって何がいいのかを考える必要がある」と明言。より選手が力を発揮しやすい規定に変更するべきと主張した。
「競技に明らかな影響を及ぼすサイズを制御するための最低限の基準は必要だ。だけど、一方でチームにより多くの自由を与えることができる領域もある。たとえば、肩の部分にもう少しエアーを入れるとかは、スキージャンプに適していると思う。股の部分は非常に正確にチェックする必要があるだろうけどね」
より正確な結果が得られる検査の機械化は、高梨のように涙する選手を生まないための妙案ではある。はたして、揺れるスキージャンプ界はどう変わっていくだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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