バレーボール

7シーズン目のイタリアは「すべてが順調」。石川祐希がセリエA公式番組で想いを語る

THE DIGEST編集部

2022.02.16

石川は「僕も1、2年目は会話にかなり苦戦しました」と当時を振り返った。(C)Getty Images

 バレーボール男子日本代表の石川祐希が世界最高峰リーグの公式配信番組に特別ゲストとしてリモート生出演。およそ7分間のインタビューに流暢なイタリア語で応じた。

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 日本代表のエースが出演したのは、セリエAの公式YouTubeチャンネルが現地日曜日に配信する『After Hours』。男子イタリア代表として世界選手権2連覇を果たし、アタランタ五輪で銀メダルを獲得したアンドレア・ゾルジ氏と、欧州代表チームスタッフや技術解説者を経て現在はリーグ通信部門を担当するアンドレア・ブロジョー二氏が司会を務め、同リーグでプレーする世界レベルの選手たちや監督陣、時には協会界関係者などを招いて技術、ルールやリーグ運営、選手やチームのコンディションなどをインタビュー形式で伝える人気番組だ。ほんの数時間前に敗戦を強いられた選手にも容赦なくコメントを求めるなど、忖度なしの本気度がバレーボール大国イタリアの目の肥えたファンを引き付けている。

 石川はイタリアでの経歴とともにスペシャルゲストとして紹介されて登場。まず、イタリアと所属先ミラノでの様子を問われ、「すべてが順調です。7シーズン目なのでイタリアでの生活にも慣れ、ミラノの地とクラブは僕にとってパーフェクトですべてが上手く進んでいます」と近況を報告。同一クラブで複数年プレーする自身初の選択は正解だったようだ。

 石川の背中を追い今シーズンからセリエA参戦を開始して注目を集める日本代表の2選手、西田有志(トンノカッリポ・ヴィ―ボバレンティア)と高橋藍(キオエネ・パドヴァ)について、「イタリア入りしてからどんなアドバイスをしたか?」との質問には、「多くのことは話していません。バレーボールに関してはプレーする上でハイレベルかつ完璧な環境ですから」と回答。「ただ、生活については日本と異なるので、良いプレーをするためには常に気を配ることが不可欠なんです」と語り、海外で結果を残し続けるアスリートならではの意識の高さをのぞかせた。
 
 一緒に出演していたのは、国際審判員として手腕を振るい、最も優秀な審判トップ15に選出されたことのあるシモーネ・サンティ氏。引退後は審判ジャーナリストとして活躍する同氏から、これまでのイタリア生活で最大の苦労をたずねられると、「やはりなんといっても言語ですね。日本人は、英語はもちろんイタリア語を一般的に(会話ができるレベルまで)学習する機会がないので」「僕も1、2年目は会話にかなり苦戦しました。言語は、なかなか大きな壁だったと思います」と明かしてくれた。監督からの指示はもちろん多くの海外選手が会見やインタビューでイタリア語を使用するセリエA。共通語と言えるイタリア語に石川が難なく対応できるのは、努力の積み重ねがあってこそなのだろう。

 他にも、ミラノのチームメートとのSNSを介したエピソードや若手選手への思いについて語ってくれた石川。特に印象的だったのは、若い頃にインスパイアされ手本としていた選手を聞かれ、「特定の誰かというのはなかった」と答えた後の言葉だ。

「イタリア1年目に(所属先モデナ)でブルーノ(・レゼンデ/ブラジル代表)、アーヴィン(・ヌガペット/フランス代表)やマッテオ(・ピアノ/イタリア代表)と一緒に時間を過ごし、彼らの素晴らしいプレーを間近で目にしたことで自分はここまで成長できたと思います」

 この先も続くであろう背番号14のイタリアでの挑戦。1プレー、1セット、1試合を重ねて、さらに逞しくなってくれるはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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