２月17日に行なわれたフィギュアスケート競技の女子シングル、フリースケーティング（FS）で、ロシアオリンピック委員会（ROC）から参加した３名は、明暗がくっきり分かれた。

　優勝したアンナ・シェルバコワは、金メダルを手に微笑んだ。しかし、銀メダルに終わったアレクサンドラ・トゥルソワ、そしてドーピング違反問題の渦中にあるカミラ・ワリエワは、ショートプログラムで首位に立ちながらも、FSでジャンプミスが重なり大失速。これまでの輝かしい経歴からは信じられないような演技で、４位に終わった。

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　競技を終えた15歳の少女に対し、エテリ・トゥトペリーゼコーチは「なぜ戦うのを辞めたの？」と詰問。欧州スポーツチャンネル『EUROSPORTS』では動画付きで報じられ、世界中で賛否両論を巻き起こしている。

　また、トゥルソワは４回転ジャンプ５本を着氷しながらも頂点に立てなかったことが悔しかったのか、それとも別の理由があったのか、舞台裏で感情を爆発させた。スペイン紙『MARCA』によれば、トゥトペリーゼコーチのハグを拒み、「もう氷の上には乗らない。こんなスポーツ大嫌い。こんなやり方はダメ、あなたたちは知っていたんでしょう！」と声を張り上げたという。

【北京五輪PHOTO】坂本花織が銅メダルを獲得！ フィギュア女子フリーで演技した全選手の姿をチェック 　この様子を見守っていたロシアの著名ジャーナリストアレクセイ・アンドロノフ氏は、『Telegram channel』に厳しい意見を書き綴っていると露メディア『sports.ru』が報じている。

「この様子を私は注意深く見ていた。15歳のスケーターであるワリエワがドーピング疑惑のあと、オリンピックで失敗して泣いた。17歳のトゥルソワは金メダルを獲れずに癇癪をおこし、トゥトペリーゼに怒鳴っていた。

　これは、フィギュアスケートのシニア大会に参加できる年齢制限を引き上げるべきという何よりの証拠だ。できれば18歳まで。想像してみろ。これが"子供"の心理にとってどのような体験なのかを、そしてあなた方は彼女たちをどう評するのか。トゥトペリーゼはクソ食らえ！女子フィギュアスケートでは”女性”が競技しなければならない！」

　トゥトペリーゼコーチのもとからは、今回の３人のほか、前回の平昌五輪で金メダルを獲得した当時15歳のアリーナ・ザギトワや、銀メダルの当時18歳だったエフゲニア・メドベージェワら優秀な選手が輩出されている。だが、平昌五輪の際も、トゥトペリーゼコーチとメドベージェワとの対立が表面化したという経緯がある。再びの騒動だと受け止めた人も少なくないだろう。

　多彩な選手が揃い、高度なジャンプを持つ選手が増え、レベルの高い競争であったことは間違いない。だが、何とも後味の悪い幕切れとなってしまった。

構成●THE DIGEST編集部

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