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坂本花織の抱擁を絶賛! 元米代表が“ドーピング騒動”に揺れた女子フィギュアに異論「スキャンダルじゃなくこれを」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.20

堂々たる演技で銅メダルを手にした坂本。満面の笑みを浮かべた彼女を元米代表戦士が称えた。(C)Getty Images

 2月20日にいよいよ閉幕する北京五輪は、数多の競技で熱戦が繰り広げられた。そのなかで、思わぬスキャンダルに揺れたのが、女子フィギュアスケートだ。

 世間を賑わせる騒動の発端となったのは、フィギュアスケートの団体戦が終わっていた8日の発表だった。ロシアオリンピック委員会のカミラ・ワリエワが、昨年12の国内選手権で採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出されたと判明したのである。
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 しかし、事態はさらに複雑化した。ショートプログラムの開始前日となった14日にスポーツ仲裁裁判所が、ワリエワが「保護対象者(16歳未満)」であり、五輪出場を妨げれば「回復不可能な損害を与える」などの理由を列挙。資格停止処分の解除を不服とした国際オリンピック委員会、世界反ドーピング機関の訴えを退け、継続参加を容認したのだ。

 しかし、ワリエワが3位以内に入った場合には、メダル授与式や表彰式も行なわれないとされるなど、文字通り前代未聞の事態となった。それにより北京五輪の女子フィギュアスケートにおける世界の注目は、渦中の15歳とその関係者たちに集中した。

 競技外の話題性が先行してしまった今大会。ドーピング問題の余波が広がるなかで、華麗な演技を披露した日本人たちの姿を「これこそもっと報道してほしいこと」と称えた識者がいる。元アメリカ代表のポリーナ・エドモンズだ。
 
 17日のフリースケーティング後に自身のツイッターを更新したエドモンズは、5位入賞の樋口新葉と抱き合い、喜びに浸る銅メダルに輝いた坂本花織の姿を収めた写真を公開。そこに自らの想いを寄せた。

「スキャンダルのドラマなんかじゃなく、真のオリンピック精神と喜びが祝福され、注目されるべき。カオリ、あなたの最高の瞬間よ」

 2014年のソチ五輪にも出場した実力派スケーターは、さらに別のツイートで、「このオリンピックはワリエワにとってトラウマとなる経験になってしまった。彼女は競争することを許されるべきではなかった」と指摘。そのうえで、ありとあらゆる批判が渦巻いている業界の現状に物申した。

「もしも、怒るなら選手の健康よりもメダルを優先するコーチングチームとその国全体に怒るべき。そんなチームの独占によって苦しめられたクリーンなアスリートたちがいることも忘れないでほしい」

 ワリエワのドーピング騒動に関しては、コーチ陣など関係者への調査も続いており、違反の有無が確定するのはこれからとなる。エドモンズのような不満を抱く識者も少なくないなかで、いかなる判断が下されるのかに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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