教え子のカミラ・ワリエワを取り巻くドーピング疑惑に付随して、世界規模でクローズアップされているのが“鉄の女”の実像だ。ロシア・フィギュアスケート界で結果を出し続けている名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏である。北京五輪が閉幕してもなお、その周辺は騒がしいままだ。
現地2月17日に行なわれた北京五輪・女子フィギュアスケート(フリー)で、ミスを連発して戻ってきたワリエワに対して「なぜ途中で諦めたの? 説明しなさい」と詰問する様子がライブ中継で映し出され、非情な振る舞いが批判の的となった。
翌日、苦言を呈したのがIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長だ。トゥトベリーゼ氏の名は伏せたものの、「選手があんなに冷たく迎えられるのを見て、ゾッとした。どうして自分の教え子にあんな仕打ちができるんだ。カミラの周辺は、あまり信頼できないという印象を持ったね」と遠回しに断じた。
その後も過去の行き過ぎた指導方法などが次々に暴露され、「児童虐待だ」「若い才能を使い捨てしている」などバッシングはエスカレートするばかり。そんななか、ウクライナ出身のドイツ人フィギュアスケーター、アリョーナ・サフチェンコ氏が欧州衛星局『EUROSPORT』で想いの丈を明かした。
平昌五輪のペアで金メダルを獲得した38歳は「自分のアスリートをあんな風に扱ってはいけない。このスポーツを傷つけるだけでなく、オリンピックそのものに対する夢や、誰もが望む希望をも傷つける」と話し、次のように続けた。
「彼女(トゥトベリーゼ氏)を見ていて、胃がおかしくなりそうだった。時に子どもの選手は親よりもコーチを信頼しているところがある。だからこそ、『こんな負け方をしても救ってくれるんだ』という気持ちが一番大事になる。それなのに、彼女は戻ってきたカミラを抱きしめることもせず、『どうして諦めたの?』と訊くだけ。人間として、私はカミラが一度すべてのことから離れて、新しいチームでやり直すことを勧めるわ」
さらにサフチェンコ氏は壮絶な体罰を受けていた過去を明かし、「弱みを克服させるばかりでなく、強みを伸ばすほうがより大事」と育成論も披露した。隣国ウクライナの出身であるレジェンドから飛び出した手厳しい言葉は、ロシア側を大いに刺激したようだ。ロシア・メディア『sport24』が複数の反論を紹介している。
まず猛反発したのが、アレクセイ・ヤグディンや荒川静香、浅田真央らを指導したタチアナ・タラソワ氏だ。伝説の名伯楽は「アリョーナ(サフチェンコ)はチームの実情をまるで分かっていない。もちろんエテリの指導メソッドもなにも知らないでしょ? 明らかに謝った見解よ」と突っぱね、「直接関わったことのない者は、あんな物言いをしてはいけない」と諭した。
ロシア・フィギュアスケート連盟の名誉会長であるバレンティン・ピセエフ氏もおかんむりだ。「エテリにはエテリの法則があり、選手たちもそれを信頼して取り組んでいる。それを外から見ているだけの人物には、黙っていてもらいたい。たしかに彼女はカミラに厳しい言葉をかけたが、そのあとにちゃんとキスもハグもしていたんだ。きっと見ていないんだろ? 私はサフチェンコの意見を真っ向から否定する」とのコメントを寄せた。
現地2月17日に行なわれた北京五輪・女子フィギュアスケート(フリー)で、ミスを連発して戻ってきたワリエワに対して「なぜ途中で諦めたの? 説明しなさい」と詰問する様子がライブ中継で映し出され、非情な振る舞いが批判の的となった。
翌日、苦言を呈したのがIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長だ。トゥトベリーゼ氏の名は伏せたものの、「選手があんなに冷たく迎えられるのを見て、ゾッとした。どうして自分の教え子にあんな仕打ちができるんだ。カミラの周辺は、あまり信頼できないという印象を持ったね」と遠回しに断じた。
その後も過去の行き過ぎた指導方法などが次々に暴露され、「児童虐待だ」「若い才能を使い捨てしている」などバッシングはエスカレートするばかり。そんななか、ウクライナ出身のドイツ人フィギュアスケーター、アリョーナ・サフチェンコ氏が欧州衛星局『EUROSPORT』で想いの丈を明かした。
平昌五輪のペアで金メダルを獲得した38歳は「自分のアスリートをあんな風に扱ってはいけない。このスポーツを傷つけるだけでなく、オリンピックそのものに対する夢や、誰もが望む希望をも傷つける」と話し、次のように続けた。
「彼女(トゥトベリーゼ氏)を見ていて、胃がおかしくなりそうだった。時に子どもの選手は親よりもコーチを信頼しているところがある。だからこそ、『こんな負け方をしても救ってくれるんだ』という気持ちが一番大事になる。それなのに、彼女は戻ってきたカミラを抱きしめることもせず、『どうして諦めたの?』と訊くだけ。人間として、私はカミラが一度すべてのことから離れて、新しいチームでやり直すことを勧めるわ」
さらにサフチェンコ氏は壮絶な体罰を受けていた過去を明かし、「弱みを克服させるばかりでなく、強みを伸ばすほうがより大事」と育成論も披露した。隣国ウクライナの出身であるレジェンドから飛び出した手厳しい言葉は、ロシア側を大いに刺激したようだ。ロシア・メディア『sport24』が複数の反論を紹介している。
まず猛反発したのが、アレクセイ・ヤグディンや荒川静香、浅田真央らを指導したタチアナ・タラソワ氏だ。伝説の名伯楽は「アリョーナ(サフチェンコ)はチームの実情をまるで分かっていない。もちろんエテリの指導メソッドもなにも知らないでしょ? 明らかに謝った見解よ」と突っぱね、「直接関わったことのない者は、あんな物言いをしてはいけない」と諭した。
ロシア・フィギュアスケート連盟の名誉会長であるバレンティン・ピセエフ氏もおかんむりだ。「エテリにはエテリの法則があり、選手たちもそれを信頼して取り組んでいる。それを外から見ているだけの人物には、黙っていてもらいたい。たしかに彼女はカミラに厳しい言葉をかけたが、そのあとにちゃんとキスもハグもしていたんだ。きっと見ていないんだろ? 私はサフチェンコの意見を真っ向から否定する」とのコメントを寄せた。