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渋野日向子はどこまで米ツアーで戦えるか? 試行錯誤の2年を経た“スマイリングシンデレラ”の現在地

山西英希

2022.03.02

シーズン初戦へ向けて現地調整している渋野。はたして彼女は、2022年をいかに戦い抜くのか。(C)Getty Images

シーズン初戦へ向けて現地調整している渋野。はたして彼女は、2022年をいかに戦い抜くのか。(C)Getty Images

 ついに渋野日向子が米女子ツアー正規メンバーとなって初めてのトーナメントを迎える。3月3日から始まる『HSBC女子世界選手権』に参戦するのだ。

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 シンガポールのセントーサGCタンジョンCで開催されるが、昨年は通算11オーバーの67位タイで終わっているだけに、今年はリベンジといきたいところだろう。他の選手は今季3試合を戦っているとはいえ、4週ぶりのトーナメントになる。多少なりとも試合勘の鈍りが生じる可能性を考えれば、渋野にもチャンスが巡ってくるかもしれない。

 それよりも、ファンが注目するのは、渋野がどこまで米女子ツアーで戦えるかではないか。いろんな見方や考え方はあるが、それを予想する前にここ数年の渋野が海外でどのように戦ってきたのかを振り返ってみたい。
 
 2019年の『AIG女子オープン(全英女子オープン)』で優勝し、世界に鮮烈な印象を与えた渋野。その年のオフから海外メジャー5冠を目標にスイング改造や肉体改造に取り組んだ。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、調整が難しかったのか、20年は思うような成績を残せなかった。連覇を狙った『AIG全英女子オープン』では予選落ちを喫し、その後に渡米して出場した4試合では、予選通過こそ果たしたが、いずれも上位に入れなかった。

 飛距離を求めつつ、方向性の重要性を肌で感じるなど、試行錯誤が続いた。この時期に、渋野はパッティングでもクロスハンドを試すなど、苦しい海外遠征だったといえる。

 一時はメジャーチャンピオンとしての自信さえも失いかけていた。だが、この年の12月に開催された『全米女子オープン』では3日目を終えて単独首位に立った。メジャー2勝目がかかるこの大チャンスは4位に終わったが、それでも渋野の強さを改めて認識するには十分な結果だったといえるだろう。

 期待が高まるなか、迎えた21年はメジャー4試合を含む8試合に出場。『ANAインスピレーション』と『全米女子オープン』で予選落ち。決勝進出したそれ以外の6試合でも、上位に入れなかったのは、期待外れだったと言わざるを得ない。
 
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