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ゴルフ

渋野日向子はどこまで米ツアーで戦えるか? 試行錯誤の2年を経た“スマイリングシンデレラ”の現在地

山西英希

2022.03.02

 これまでの結果だけを見れば、今年の渋野に対して不安を感じる人もいるだろう。しかし、過去2年間で得た経験値は順位という結果では測れないほど大きいはずだ。

 日本とは異なるコースセッティングやピンポジション、芝質の違いはもちろん、米国内での長時間に渡る移動や食生活など様々な経験をし、米女子ツアーのレベルを間近で感じながらも、自分の技術が通用する部分と通用しない部分をしっかりと見極めてきた。

 そのうえで、飛距離と方向性の折り合いもつけ、メンタル面でも、20年の『全米女子オープン』で敗れた際、「プレッシャーがかかったときのショットの難しさを改めて知った」と語っていた。優勝したときには味わえなかったメジャーでの1打の重さを改めて感じられたのは大きい。
 
 実際、昨年12月に行われたQシリーズでは2度もメンタルの強さを見せている。1度目は1週目の初日、81位と出遅れた後だ。3日目、4日目に60台を連発して24位にまで順位を上げた。

 2週目の3日目は「79」を叩いて29位まで順位を下げたものの、最終日に「69」をマークして20位でフィニッシュ。普通のメンタルだったら挽回できないような流れから立ち直したのは本当の意味での底力がある証拠だろう。

 このオフも技術を磨き、体力アップに励んでいたのは想像に難くない。過去2年間と違い、米女子ツアーに専念できる分、より自分の力を発揮するのではないか。その意味では、単なる新人ではないだけに、平場の試合はもちろん、メジャーでさえ勝つチャンスは十分あるだろう。

 幸いメジャーには全試合出場できるため、照準も合わせやすい。唯一心配なのは、どのようなスイングで初戦を迎えるかだ。周囲が首を傾げるようなスイング改造を過去に行っていただけに、そこだけが不安要素ではある。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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