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マゼピンのF1シート喪失は「不公平な決定ではない」と海外メディアが指摘!「彼は父親の金で参加していた」

THE DIGEST編集部

2022.03.07

マゼピンは今回の決定に対し、「正当なプロセスを踏むことなく、一方的な措置が取られた」と不満を明かした。(C)Getty Images

 F1のハースは3月5日、所属ドライバーであるニキータ・マゼピンとの契約を解除したことを発表した。

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 ロシアによるウクライナ侵攻の後、同チームは車のデザインからメインスポンサーである「ウラルカリ」のロゴやロシアの国旗のカラーを外しており、同社を共同経営する富豪のドミトリー・マゼピンの息子であるニキータの去就が注目されていた。F1自体はロシア人ドライバーの締め出しは行なわないことを明らかにしていたが、ビザの発給問題などからその去就について厳しい展望を示されていた23歳には、やはり予想通りの結末が待ち受けていた。

 チームはSNSで「ハースF1チームは、ウラルカリとのパートナーシップ、ニキータ・マゼピンとのドライバー契約を終了することを選択した。チームはF1コミュニティ全体がそうであるように、ウクライナへの侵攻に衝撃と悲しみを受けており、紛争の迅速かつ平和的な収束を願っている」と声明を発表している。
 
 これに対し、2年目のシーズンを目前にしてF1での活躍の場を失うこととなったマゼピンも、SNSで現在の心情を吐露。応援してくれたファンらへの感謝の意を表しながらも、「契約が打ち切られたことについて、非常に残念に思う。困難は理解していたが、FIAの取り決めやレースを続けるための条件を受け入れようとしていた自分の意思は完全に無視され、正当なプロセスを踏むことなく、一方的な措置が取られた」と不満も明かした。

 母国政府の軍事侵攻により、その一国民であるマゼピンが大きな損害を被った形だが、このハースの決定を「戦争や政治的な問題がアスリートの未来を左右することになったのは残念だが……」と綴りながらも、「不公平なものではない」と指摘したのは、スポーツ専門チャンネル『ESPN』のスペイン版だ。

 同メディアがこのように見ているのは、「マゼピンはその才能ではなく、父親の金によってF1に参加していた」からだという。父親はロシア政府の政治的影響力を受けた新興財閥「オリガルヒ」のひとつであるウラルカリを経営し、しかもウラジーミル・プーチン大統領にも近しい人物ということで、アメリカ国籍のハースとしては、関係を保ち続けることは不可能な存在である。そうなれば、息子ニキータがその座を追われるのは当然ということである。