専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

8度目の正直を果たした西郷真央。“師匠”ジャンボも称えるポテンシャルと開幕戦で見られた成長とは?

山西英希

2022.03.07

笑顔でトロフィーを掲げる西郷。何度も逃していた栄冠をシーズン開幕戦で手にしてみせた。(C)Getty Images

笑顔でトロフィーを掲げる西郷。何度も逃していた栄冠をシーズン開幕戦で手にしてみせた。(C)Getty Images

 国内女子ツアー開幕戦『ダイキンオーキッドレディス』で20歳の西郷真央が最終日に「67」をマーク。首位との5打差を逆転し、通算10アンダーでツアー初優勝を飾った。

【PHOTO】金田久美子、原英莉花、安田祐香、脇元華…日本女子ゴルフが誇る"美女ゴルファー"を厳選フォトで一挙紹介!

 ツアーデビューした昨季は未勝利ながらも賞金ランキング4位に入るなど、その高い実力はツアー仲間からも認められていた西郷。オフシーズンの過ごし方次第で今季は飛躍の年になると予想されていたが、いきなりその成長具合をアピールする形となった。

 このオフ、西郷は技術的な課題として、ショートゲームの精度を上げることをテーマに練習してきた。その理由は昨年のスタッツを見ると一目瞭然だ。

 パーオン率が74.54%で3位にいながら、パーセーブ率は87.70%で7位だった。リカバリー率(63.65%、24位)と平均パット数(30.11、59位)が低かったからだ。勝負事にタラレバは禁物だが、アプローチとパットの精度が上がれば、昨季7回あった2位のうち、数試合は優勝できたかもしれない。

 悔しい思いをボールにぶつけ、ひたすらアプローチとパットの練習に励んだオフシーズンであり、西郷自身も手応えを感じてはいた。しかし、その手応えを自信に変えるには、やはり結果を残すしかない。最終日はまさに西郷のショートゲームが試された。
 
 上位陣が後半のハーフに入り、揃ってスコアを落とし、気がつけば西郷は残り3ホールの時点で首位に2打差に迫っていた。16番パー3で8メートルのバーディパットを沈めると、17番パー4ではグリーン奥のエッジからの7メートルを沈めて連続バーディを奪う。これで一気に単独首位に躍り出たが、もちろんセーフティリードではないため、最終18番パー5もバーディを狙いにいった。

 ピンまで残り220ヤードから果敢に4番ユーティリティで2オンを狙ったが、ボールは無情にもグリーン左手前のバンカーにつかまる。アゴが高く、直接ピンを狙うにはリスクが高い。一つ間違えれば、ボギーを叩く状況だ。ここで西郷が選択したのは、グリーンの左サイドに出すことだった。

「オフにアプローチの練習をしていなければ、無理にバンカーからピンを狙ったかもしれません」と語った西郷。たとえ3オンできなくても、寄せワンでパーセーブできるという自信があったからこその遠回りだった。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号