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ゴルフ

8度目の正直を果たした西郷真央。“師匠”ジャンボも称えるポテンシャルと開幕戦で見られた成長とは?

山西英希

2022.03.07

 下りの15ヤードという決してやさしくはない状況だったが、ピンを30センチほどオーバーさせたところで止める見事なアプローチを見せ、この日最大のピンチを乗り切った。結局、1打差で2位以下を振り切ったことを考えれば、値千金のマネジメントであり、アプローチだったことは間違いない。

 そんな西郷の優勝を師匠であるジャンボ尾崎も讃える。「何といってもゴルフに対する考え方や取り組み方が優等生で、プロの中でもそのゴルフ頭脳はトップではないかと思う時がある。今回の優勝では2位にはない副賞がたくさんもらえる喜びを知っただろう。早めの2勝目を期待する」というコメントを発表した。

 西郷は“ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー”の一期生であり、同アカデミー出身のプロとしては初のツアー優勝者となった(原英莉花や笹生優花はジャンボ邸で練習しているが、アカデミー生ではない)。

 ただ、アカデミーでジャンボが西郷に手取り足取りレッスンしていたわけではない。西郷に限らず、ジャンボのアカデミー生に対する接し方は、トレーニングや練習メニューを与えたら、時折アドバイスを送ることはあるものの、真剣に練習やトレーニングに取り組んでいるかどうか目を光らせる程度だ。
 
 それでも、アカデミーには300ヤードを打てるドライビングレンジや練習グリーン、バンカーなどが完備され、練習環境としては十分過ぎるほど整っている。しかも、そこには同世代のライバルが多数いるので、競争心も自然と生まれる。ジャンボに言わせれば、特に女子のほうがその傾向は強く、西郷も例外ではなかった。

 また、ジャンボ自身が考案した素振り棒は数種類のタイプがあり、西郷は重いタイプのものと軽いタイプのものをジャンボから与えられている。重いタイプはクラブを振る力をつけるものであり、このオフは徹底して振り込みショットの安定感も増していた。

 待望のツアー初勝利を挙げた西郷だが、あくまでも本人の目標は複数回優勝であり、この1勝で満足するつもりは毛頭ない。さらにその先には、同い年の笹生がひと足先に参戦している米女子ツアーに挑戦する目標もある。今後、西郷がどのような成長を見せるか要注目だ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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