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「ウクライナが嵐を巻き起こした」ベラルーシ代表監督が“パラ除外”の舞台裏に独自見解! 大エースは「痛々しく侮辱的」

THE DIGEST編集部

2022.03.14

ウクライナ代表団は今大会で過去最多29個のメダルを獲得。中国に次ぐ堂々2位の結果を残した。(C)Getty Images

ウクライナ代表団は今大会で過去最多29個のメダルを獲得。中国に次ぐ堂々2位の結果を残した。(C)Getty Images

 ロシアと同じく、北京パラリンピックから除外処分を受けたのがベラルーシ代表団だ。ロシアの国営通信社『RIA Novosti』が指導者とスター選手を直撃し、それぞれの見解を紹介している。
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 最初に登場したのが、クロスカントリーとバイアスロンの代表チームで監督を務めるユーリ・ブラノフ氏。IPC(国際パラリンピック委員会)は大会開幕の2日前となる3月2日に、いったんはロシアとベラルーシの選手たちに対して、中立的な立場での個人参加を認めたが、翌3日に一転して翻意し、除外を決定した。ブラノフ氏は、ウクライナ代表団の到着が多大な影響を及ぼしたと見ている。

「参加禁止に関しては、すべてが不可解だった。一度は安堵したのも束の間、非情な決定にうちひしがれたんだ。(3月2日に)ウクライナの選手団が到着してからだよ。彼らが嵐を巻き起こし、ほかの国々が彼らの要求する我々の締め出しを強力に支持していった。その動きに抗う力など我々にはなかったんだ」

 さらにブラノフ氏は、「素晴らしい取り組みをしてきた選手たちが可哀そうでならなかった。ロシアの選手たちなんて8年間も待ちわびたのだからね」と私見を述べ、「我々にしてもこの4年間で数多の努力と資金を費やしてきたし、精力的に国外キャンプも行なった。すべてはパラリンピックでメダルを獲りたかったからだ」と無念を滲ませた。
 

 続いて想いを馳せたのが、過去のパラリンピックで3度の金メダルに輝いた女子クロスカントリー選手、スベトラーナ・サホネンコだ。「突然トレーニングの最中に不参加を告げられた」と振り返り、苦しい胸の内を明かした。

「現実とは思えないほどのショックを受けた。どうしても理解できなくて、打たれっぱなしのような気持ちになって、見渡したら誰も彼もが当惑した表情を浮かべていたわ。すべてをこの日のために捧げてきたのに、一瞬で崩れ去ってしまった。本当に痛々しく、侮辱的、不公平で間違った決定だったと思う」

 3月13日に北京パラリンピックは閉幕。前日に総括を求められたIPCのアンドリュー・パーソンズ会長は、ロシアおよびベラルーシ代表団の除外に対して、「かなりの痛みを伴う措置だったが、大会を守るために必要だった。決定に際していかなる政府の影響も受けたくはない。それでも、激震するヨーロッパの状況を鑑みて、スポーツを世界情勢から切り離すことは不可能だった」と話し、あらためて理解を求めた。

構成●THE DIGEST編集部

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