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「2位の選手こそ正当な勝者!」元五輪陸上王者もトランスジェンダー競泳女子選手の大会制覇に苦言「これは常識的」

THE DIGEST編集部

2022.03.26

アメリカ競泳界だけでなく、世界的に小さくない話題となっているトーマス。トランスジェンダーである彼女には、さまざまな声が寄せられている。(C)Getty Images

アメリカ競泳界だけでなく、世界的に小さくない話題となっているトーマス。トランスジェンダーである彼女には、さまざまな声が寄せられている。(C)Getty Images

 アメリカで快進撃を続けるトランスジェンダーの競泳選手の存在が、物議を醸している。
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 話題の中心にいるのは、ペンシルベニア大学に通うリア・トーマスだ。今月17日に開催された全米大学選手権の女子500ヤード(約457メートル)自由形で、東京五輪1500メートル銀メダルのエリカ・サリバンや、同五輪400メートル個人メドレー銀メダルのエマ・ワイアントら実力者とともに参戦すると、2位に1秒75差をつけて優勝したのだ。

 元々男性スイマーとして競技をしていたトーマスは、1年以上のホルモン治療の末に、昨秋から女性として競技に復帰。筋肉量の違いで不平等が生じるという批判的な声が相次いだなかで、「周りの声は気にならない」とメジャー大会に挑んでいた。

 無論、ルール的には問題はない。NCAA(全米大学スポーツ協会)が設ける規制もきっちりとパスをしている。しかし、力量差が如実に表れたレース展開を厳しく見る識者やメディアは後を絶たない。かつて五輪金メダルを手にした元男子陸上選手のケイトリン・ジェンナー氏も、そのひとりだ。

 1976年のモントリオール五輪の十種競技で金メダルを獲得したジェンナー氏は、現役引退後の2015年にトランスジェンダーであると公表。そこから女性としての生活をスタートとさせていた。

 アスリートとトランスジェンダーの苦しさを熟知するジェンナー氏は、自身のツイッターで「エマ・ワイアント(2位)こそ正当な勝者」と言い放ったのだ。

 さらに自身の経験を踏まえたうえで、「私たちの主張はトランスフォビアやアンチトランスでもなく、これは常識的なもの」とキッパリ。あくまでトーマスが女性と同格にレースへ参戦する現状への不満を説いた。

 あらゆる多様性の許容が求められる現代において、トーマスのような選手は決して稀有ではない。それだけに、そのキャリアは大きく注目を集めていきそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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