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格闘技・プロレス

村田諒太、世紀の大番狂わせならず! 怒涛の攻勢も“最強の男”ゴロフキンは脅威の盛り返しで2団体王座統一を達成

THE DIGEST編集部

2022.04.09

ゴロフキンとの手に汗握る熱戦を演じた村田。(C)Getty Images

ゴロフキンとの手に汗握る熱戦を演じた村田。(C)Getty Images

 文字通りの激闘となった。

 4月9日、ボクシングWBAミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)が、さいたまスーパーアリーナで、IBF同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と対戦。全世界が注目する2団体王座統一戦となったが、36歳のサムライは9回途中KOで敗れた。

 昨年12月の実現が延期となったなかで、ようやく日の目を見た“史上最大の決戦”は、KO率83.7%を誇るカザフスタンの英雄が凄まじい強さを見せつける形となった。

 序盤は互いにガードを固めつつ、時折、鋭いジャブで相手の隙を伺う落ち着いた試合運びを見せた両雄。そのなかで次第に前進していった村田はフィニッシュブローでもある右ストレートのボディーをGGG(ゴロフキンの愛称)に食らわせ、攻勢に出ていく。

 一撃ごとに「おぉー!」が湧きかえる会場の声援にも後押しされ、積極果敢に攻め続けた村田。一方で百戦錬磨の40歳も打たれてばかりではない。3回の序盤にはショートアッパーと鋭いジャブのコンビネーションを浴びせ、主導権を取り戻しにかかる。

 しかし、村田に焦りはない。相手が左ボディーへのダメージを嫌っていると見るや、タイミングよくそこを攻めていき、守勢に回る世界最強の男を追い込んでいった。

 かつて「天と地の差がある」と語った猛者と堂々と渡り合った村田。さらにひるまずにプレッシャーをかけ続けるが、百戦錬磨のチャンプも策を講じる。5回に至近距離での攻撃に活路を見出すと、6回には明らかに手数の減った日本人を尻目に細かな左のジャブを繰り出していった。

 距離を詰めつつ、強弱を効かせたジャブを打ち込んでいくゴロフキンに、ガードを固めながらボディーを食らわせる隙を伺う村田。7回以降はそんな構図で進んだ試合は、9回に勝負の瞬間が訪れる。

 まさに一進一退の攻防戦のなかで、ロープ際に追い込まれた村田を捉えたゴロフキンは、フェイントをかけながら、ガードを破るパンチを連発。最後は村田陣営からタオルが投げ込まれて雌雄が決した。

 念願のビッグマッチで再三にわたってパンチを打ち込んだ村田の健闘ぶりは見事だった。だがしかし、大会に先駆けて「場所はどこでもいい。リングとグローブがあればどこでも戦える。私はもうひとつのベルトを獲りにきた」と語った40歳の猛者は、やはり強かった。

構成●THE DIGEST編集部
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