歴史的な名勝負の余韻が冷めやらぬさいたまスーパーアリーナ。会場の興奮度が闘いの凄みを如実に物語った。
4月9日、ボクシングのWBAスーパー・IBF世界ミドル級王座統一戦が、さいたまスーパーアリーナで行なわれ、WBAスーパー王者・村田諒太(帝拳)は、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に9回2分11秒でのTKO負けを喫した。
【動画】「あなたはチャンプだ」ゴロフキンが村田にガウンを渡したシーンをチェック
もっとも、村田は勇敢だった。興行規模が20億円を超え、「日本史上最大」と言われたこのビッグマッチにおける下馬評では圧倒的不利。しかし、36歳は序盤からガードを固めつつ、ワンツーとボディーのコンビネーションでゴロフキンの牙城を切り崩しにかかり、効果的にダメージを与えていった。
だが、数多の死地をくぐり抜けてきた戦士は冷静だった。5回途中からそれまでとは一転して間合いを詰めると、「こんなにうまいんだ」(村田談)と想わせるほどの技術力で、一気に主導権を奪取。みるみるうちに村田が守勢に回し、最後は力なく膝をつかせ、敵陣営からタオルが投げ込まれた。
試合後に米専門誌『The Ring』のマイケル・モンテロ氏が「何も恥じることはない」と絶賛した闘いぶりは、対峙した唯一無二のチャンプも認めるところだ。 リング上でのフラッシュインタビューで「素晴らしいファイトを見せてくれたムラタ、そして彼のチームにお礼と称賛の言葉を送りたい。ぜひ、拍手をお願いします」と敬意を表したゴロフキンは、直後に村田のもとへ歩み寄ると、自身が長年愛用してきたガウンを手に取り、村田に手渡したのだ。
いわば"勝負服"とも言えるガウンを敵に贈呈するのは、力を認めた何よりの証とも言えるのではないか。それと同時にいつなんどきも周囲へのリスペクトを欠かさなかったゴロフキンの人格者ぶりを表すワンシーンでもある。
さらにこれだけではなかった。試合後に自身のインスタグラムを更新したゴロフキンは、村田の控室に入る動画を公開。そのなかで「おい、リョウタ! これは君のベルトだ。一生持っていてくれた」と、なんと獲得したばかりのベルトを手渡したのである。
村田の実力を認めるからこその振る舞いと言える。無論、このシーンは海外でも反響を呼んでおり、英紙『The Sun』は「ゴロフキンはムラタに最大限の敬意を表した。勝利した後だというのに、彼はお馴染みのガウンを対戦相手に手渡した」と驚嘆。同じく英メディア『Sky Sports』は"ベルト返上"シーンを含めて「ゴロフキンの上品な振る舞いだ。これだから彼は愛される」と絶賛した。
惜しくも勝利は逃したが、ゴロフキンと村田の激闘は、最初から最後まで、試合前の注目度と興行規模に値するビッグマッチだった。
構成●THE DIGEST編集部
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【関連記事】「驚くべき熱狂を見た!」ゴロフキンvs村田諒太の激闘に欧州メディアも興奮「ムラタは日本の希望だ」
【動画】世界を驚かせた村田諒太へのゴロフキンのベルト返上シーンをチェック
4月9日、ボクシングのWBAスーパー・IBF世界ミドル級王座統一戦が、さいたまスーパーアリーナで行なわれ、WBAスーパー王者・村田諒太(帝拳)は、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に9回2分11秒でのTKO負けを喫した。
【動画】「あなたはチャンプだ」ゴロフキンが村田にガウンを渡したシーンをチェック
もっとも、村田は勇敢だった。興行規模が20億円を超え、「日本史上最大」と言われたこのビッグマッチにおける下馬評では圧倒的不利。しかし、36歳は序盤からガードを固めつつ、ワンツーとボディーのコンビネーションでゴロフキンの牙城を切り崩しにかかり、効果的にダメージを与えていった。
だが、数多の死地をくぐり抜けてきた戦士は冷静だった。5回途中からそれまでとは一転して間合いを詰めると、「こんなにうまいんだ」(村田談)と想わせるほどの技術力で、一気に主導権を奪取。みるみるうちに村田が守勢に回し、最後は力なく膝をつかせ、敵陣営からタオルが投げ込まれた。
試合後に米専門誌『The Ring』のマイケル・モンテロ氏が「何も恥じることはない」と絶賛した闘いぶりは、対峙した唯一無二のチャンプも認めるところだ。 リング上でのフラッシュインタビューで「素晴らしいファイトを見せてくれたムラタ、そして彼のチームにお礼と称賛の言葉を送りたい。ぜひ、拍手をお願いします」と敬意を表したゴロフキンは、直後に村田のもとへ歩み寄ると、自身が長年愛用してきたガウンを手に取り、村田に手渡したのだ。
いわば"勝負服"とも言えるガウンを敵に贈呈するのは、力を認めた何よりの証とも言えるのではないか。それと同時にいつなんどきも周囲へのリスペクトを欠かさなかったゴロフキンの人格者ぶりを表すワンシーンでもある。
さらにこれだけではなかった。試合後に自身のインスタグラムを更新したゴロフキンは、村田の控室に入る動画を公開。そのなかで「おい、リョウタ! これは君のベルトだ。一生持っていてくれた」と、なんと獲得したばかりのベルトを手渡したのである。
村田の実力を認めるからこその振る舞いと言える。無論、このシーンは海外でも反響を呼んでおり、英紙『The Sun』は「ゴロフキンはムラタに最大限の敬意を表した。勝利した後だというのに、彼はお馴染みのガウンを対戦相手に手渡した」と驚嘆。同じく英メディア『Sky Sports』は"ベルト返上"シーンを含めて「ゴロフキンの上品な振る舞いだ。これだから彼は愛される」と絶賛した。
惜しくも勝利は逃したが、ゴロフキンと村田の激闘は、最初から最後まで、試合前の注目度と興行規模に値するビッグマッチだった。
構成●THE DIGEST編集部
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