列島を沸かせた熱戦の余波は海外にも及んでいる。去る4月9日にさいたまスーパーアリーナで行なわれた村田諒太(帝拳)とゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)のボクシングWBAスーパー、IBF世界ミドル級王座統一戦だ。
【動画】世界を驚かせた村田諒太へのゴロフキンのベルト返上シーンをチェック
激しい攻防戦を制したのは、カザフスタンの英雄だった。村田は序盤から積極果敢に攻めに出て、難攻不落と言われた相手の牙城を切り崩しにかかったが、5回から流れが一変。間合いを詰めたゴロフキンが、あっという間に主導権を握り返し、9回途中に村田陣営からタオルが投げ込まれる形で雌雄は決した。
互いに死力を尽くした。そのなかで村田が「やっぱり、総合力。やっていてパンチの角度とかで上をいかれているなと感じた」というゴロフキンが上回ったハイレベルな闘いは、日本国内はもちろんのこと、海外メディアでも高い注目を集めていた。
そんななかで、勝者となったゴロフキンが4階級制覇王者のカネロことサウル・アルバレス(メキシコ)と闘うことに異議を唱える者もいる。元WBCクルーザー級王者のトニー・ベリュー氏(英国)だ。
王座防衛歴もある元ファイターは、『DAZN』の番組「DAZN Boxing Show」で、村田戦でのゴロフキンについて「カネロとの3度目の対決に向けては十分に対戦するに値するだけのものだったんじゃないか」と分析。そのうえで、「ただ、合格ラインに達したというだけだ。カネロとは差がある」と断じた。
「俺から見たら全盛期を過ぎた今の彼はだいぶ弱々しく見えたし、ハードパンチャーというわけでもない男(村田)に押されていた。俺が彼だったらカネロ戦は諦めるかもしれないね」
実際、今月8日に40歳となったゴロフキンの衰えは否めない面はある。村田戦の前半戦でも主導権を握られ、試合中に息を乱すシーンもあった(もちろん村田の攻撃力があったからこそだが)。現在31歳のカネロが絶頂期にあると考えれば、当然小さくないリスクが生じるのだ。
ゆえにベリュー氏は、「戦えば、トリプルG(ゴロフキンの愛称)にとって悪い結末になる」と強調する。
「もうかつてのトリプルGではない。俺個人の理想を言えば、彼がカネロとの3試合目で残酷に打ちのめされるシーンは見たくはない。現実問題として、前回対戦から調子を上げているのはカネロだ。彼はただうまくなっただけでなく、より大きく、より強くなった。それは次の対戦でも示されると思う」
加齢はどのスーパーアスリートにも訪れる抗えない壁だ。そんな現実的な問題をもゴロフキンは凌駕してしまうのではないか。素人目に村田戦での驚異の粘りを見る限り、そう思わずにはいられないが……。
構成●THE DIGEST編集部
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互いに死力を尽くした。そのなかで村田が「やっぱり、総合力。やっていてパンチの角度とかで上をいかれているなと感じた」というゴロフキンが上回ったハイレベルな闘いは、日本国内はもちろんのこと、海外メディアでも高い注目を集めていた。
そんななかで、勝者となったゴロフキンが4階級制覇王者のカネロことサウル・アルバレス(メキシコ)と闘うことに異議を唱える者もいる。元WBCクルーザー級王者のトニー・ベリュー氏(英国)だ。
王座防衛歴もある元ファイターは、『DAZN』の番組「DAZN Boxing Show」で、村田戦でのゴロフキンについて「カネロとの3度目の対決に向けては十分に対戦するに値するだけのものだったんじゃないか」と分析。そのうえで、「ただ、合格ラインに達したというだけだ。カネロとは差がある」と断じた。
「俺から見たら全盛期を過ぎた今の彼はだいぶ弱々しく見えたし、ハードパンチャーというわけでもない男(村田)に押されていた。俺が彼だったらカネロ戦は諦めるかもしれないね」
実際、今月8日に40歳となったゴロフキンの衰えは否めない面はある。村田戦の前半戦でも主導権を握られ、試合中に息を乱すシーンもあった(もちろん村田の攻撃力があったからこそだが)。現在31歳のカネロが絶頂期にあると考えれば、当然小さくないリスクが生じるのだ。
ゆえにベリュー氏は、「戦えば、トリプルG(ゴロフキンの愛称)にとって悪い結末になる」と強調する。
「もうかつてのトリプルGではない。俺個人の理想を言えば、彼がカネロとの3試合目で残酷に打ちのめされるシーンは見たくはない。現実問題として、前回対戦から調子を上げているのはカネロだ。彼はただうまくなっただけでなく、より大きく、より強くなった。それは次の対戦でも示されると思う」
加齢はどのスーパーアスリートにも訪れる抗えない壁だ。そんな現実的な問題をもゴロフキンは凌駕してしまうのではないか。素人目に村田戦での驚異の粘りを見る限り、そう思わずにはいられないが……。
構成●THE DIGEST編集部
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