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トゥルソワの“5回転ジャンプ”挑戦にフィギュア関係者の意見は二極化――「身体をうまく使えば可能」「そんな簡単ではない」

THE DIGEST編集部

2022.04.20

5回転挑戦を明言したトゥルソワ。フィギュア関係者はこれに様々な意見を持っている。(C)Getty Images

5回転挑戦を明言したトゥルソワ。フィギュア関係者はこれに様々な意見を持っている。(C)Getty Images

 北京五輪フィギュアスケートの女子シングルで銀メダルに輝いたアレクサンドラ・トゥルソワ(ROC=ロシアオリンピック委員会)が、前人未踏の“5回転ジャンプ”挑戦を宣言した。女子選手の驚きの発言に同国スポーツメディア『Sport24』は、関係者たちに取材し、意見を調査した。

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 五輪のフリースケーティング(FS)では4回転ジャンプ4種5本という“超高難易度構成”に挑んだ17歳は、「もちろん挑戦したいです。うまくいけば、女子だけでなく誰よりも早く習得できる。まだ誰も5回転が出来ていないので」とコメント。

 一般的に筋肉量が多く身体能力が高いとされる男子ですら、未開の領域である“5回転”への挑戦に否定的な意見も少なくないのも事実だ。ペアで3度五輪を制したイリーナ・ロドニナ氏は、「サーシャ(愛称)は自分の道を選びましたね。彼女は、フィギュア界の開拓者になりたいと思っていて、そうする権利は持っている」と17歳の意を汲みながらも、厳しい口調で以下のように語った。

「彼女はスケートでジャンプしかやらないんです。5回転って?私は4回転ジャンプと、他の振り付けが切り離されていない完璧なプログラムを先に観たい」

 同様に「トゥルソワが5回転?」と訝しげに口を開いた振付師のアレクサンドル・ズーリン氏は、「『私が生きているうちには実現しない』と私が尊敬するアレクセイ・ミーシン先生が言うように私もできないと思う」と断言。そして「補助器具をつければ出来ると思いますが、5回転はそんな簡単ではない。もし実現すれば驚きます」と続けた。
 
 一方、フィギュア界の明るいニュースに成功を祈る関係者もいる。そのひとりがフィギュア界の“皇帝”エフゲニー・プルシェンコ氏で、「私はトゥルソワが5回転を成功させると信じています。可能です。私たちは観られますよ。成功させて、もっと偉大なスケーターになるでしょう」と高らかに語った。

 また元世界女王のマリア・ブッテルスカヤ氏もその一人だ。「サーシャの性格から考えれば、5回転を信じたほうがいいかもですね」と笑みを浮かべた。「アクセルは技術的に難しいので、4回転アクセルはどうやっても跳べない」と言う彼女だが、5回転についてこう展望した。

「彼女は小さくて細い。彼女の身体をうまく使えば、5回転ジャンプを成功できる。かっこよく決めますね!その実現は近いでしょう」

 果たしてトゥルソワが“5回転”を成功させる日は来るだろうか。前人未踏の技に挑戦する彼女の動向に今後も注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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