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ディープボンド、タイトルホルダーの2強は揺るがない。馬券圏内突入を狙う意外性に満ちた“大穴候補”も【天皇賞・春プレビュー】

三好達彦

2022.04.29

待望のG1初勝利を狙うディープボンド。前走の阪神大賞典では、貫禄の走りで連覇を飾っている。写真:産経新聞社

待望のG1初勝利を狙うディープボンド。前走の阪神大賞典では、貫禄の走りで連覇を飾っている。写真:産経新聞社

 古馬長距離路線の頂点を決する天皇賞・春(G1、阪神・芝3200メートル)が5月1日に行なわれる。

 今年は、京都競馬場が改修中のため、昨年に続いて阪神競馬場が舞台になる。昨年はレコードタイム(3分14秒7)という高速決着となったが、29日時点での予報によると、当日の天気予報は「曇りのち雨」となっており、それほどのスピード勝負にはなりそうにない。それを踏まえながら、今春の”盾争い”を展望してみよう。

 今年の大きな特徴は、出走を予定している馬のうち、昨年同様にG1ホースが1頭しかいないこと。昨年の菊花賞(G1、阪神・芝3000メートル)を逃げ切り勝ちしたタイトルホルダー(牡4歳/美浦・栗田徹厩舎)ただ1頭だけなのだ。

 長距離戦線が手薄になるのは日本のみならず、欧米を中心とする主要開催国でも同じような傾向を示しており、春の天皇賞や菊花賞に出走するトップホースが年々減少する傾向はオールドファンにとって寂しい限りだが、引退後の種牡馬ビジネスを考えればやむを得ないことではある。

 とはいえ、騎手の駆け引きや血統を含めた予想が特に重視されるなど、長距離レース特有の魅力が失われたわけではない(と筆者は思いたい)。

 出走馬中、唯一のG1馬であるタイトルホルダーを差し置いて、1番人気に推されるであろう存在が、昨年の天皇賞・春で勝ち馬のワールドプレミアに0秒1差の2着となった、ディープボンド(牡5歳/栗東・大久保龍志厩舎)である。

 昨年は天皇賞ののち、休養を挟んでフランスへ遠征し、海外初出走となったフォワ賞(仏G1、ロンシャン・芝2400メートル)を逃げ切り勝ち。そのポテンシャルの高さから、クロノジェネシスとともに出走した本番の凱旋門賞(G1、ロンシャン・芝2400メートル)でも期待を集めたが、きわめて悪い馬場状態が響き、最下位の14着に敗れた。

 その成績もあって、帰国後に出走した有馬記念(G1、中山・芝2500メートル)では5番人気に甘んじたが、中団待機から直線ではインを突いて急追。勝ったエフフォーリアとは0秒1差の2着に入って意地を見せた。

 そして、今年初戦の阪神大賞典(G2、阪神・芝3000メートル)では中団からの差し切りという貫禄勝ちで連覇を達成。一段と成長した姿を見せた。

 枠順が大外の18番枠を引いたのは不運だったが、陣営は「レースが上手な馬なので心配はない」と語る。また、手綱を取る和田竜二騎手も、「去年はパワーに頼るところがあったが、ことしは切れ味も出てきた。順調にきているので、気分よく走らせられれば結果は付いてくる」と自信をのぞかせている。

 正直なところ、手薄な今年のメンバーから考えて、筆者はディープボンドの主役の座は動かし難いと考える。
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