専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

ディープボンド、タイトルホルダーの2強は揺るがない。馬券圏内突入を狙う意外性に満ちた“大穴候補”も【天皇賞・春プレビュー】

三好達彦

2022.04.29

 順当な評価をすれば、やはりタイトルホルダーになろう。

 昨秋の菊花賞は単騎逃げに持ち込むと、後続には自身の影も踏ませず、5馬身差で余裕の圧勝を遂げた。そのあとの有馬記念では2番手から粘り切れず5着に敗れたが、今季初戦の日経賞(G2、中山・芝2500メートル)は再び得意の逃げを打ち、後続に迫られはしたものの先頭でゴール。上々のスタートを切った。

 多少速めのペースでも、単騎逃げに持ち込めればしぶといのが本馬のストロングポイント。こちらも16番枠と外目のゲートに入ったのはツキがなかったが、鞍上の横山和生騎手が攻めの騎乗で先頭を奪えば、好勝負は必至だろう。

 G1レース初挑戦ながら、ファンから熱い視線を注がれているのはテーオーロイヤル(牡4歳/栗東・岡田稲男厩舎)だ。

 初勝利まで4戦を要し、重賞初挑戦の青葉賞(G2、東京・芝2400メートル)では4着に敗れてしまったが、ひと夏を越して10月の1勝クラスから連戦連勝で一気にオープンまで駆け上がり、ことし初戦のダイヤモンドステークス(G3、東京・芝3400メートル)を4連勝で制し、ついに重賞ウイナーの仲間入りを果たした。

 そのダイヤモンドステークスは、自身初の3000メートル超のレースとなったが、直線で抜け出して、さらに後続に2馬身半もの差をつけた長距離適性の高さは注目に値するもの。初のG1戦という壁の高さはあるが、本場の今後を占ううえでの分水嶺になる可能性がある一戦だ。

 ここまでの馬で「2強+1」というのが勢力地図になると思われるが、ほかに”穴候補”を挙げておく。

 ステイヤーズステークス(G2、中山・芝3600メートル)、阪神大賞典と、長距離重賞で連続2着したアイアンバローズ(牡5歳/栗東・上村洋行厩舎。ステイヤーズステークス、万葉ステークス(OP、中京・芝3000メートル)、阪神大賞典と、3レース連続で3着に健闘したシルヴァーソニック(牡6歳/栗東・池江泰寿厩舎)が上位進出を狙う伏兵か。

 そしてもう1頭、大穴候補として、アメリカジョッキークラブカップ(G2、中山・芝2200メートル)で11番人気ながら2着に食い込んで大波乱を巻き起こしたマイネルファンロン(牡7歳/美浦・手塚貴久厩舎)を選ぶ。

 2走前までは1800~2000メートル戦ばかりを走っていたが、初の2200メートル戦で最後まで脚を伸ばしたレースぶりは長距離適性を感じさせる。そして、父ステイゴールドという意外性に満ちた血統、思い切りのよいレース運びが持ち味の松岡正海騎手が手綱をとる、この2点も魅力的だ(ちなみに松岡騎手は2009年の本レースを12番人気のマイネルキッツで制している)。

”てっぺん”までは難しくとも、3連系の馬券なら狙う価値があるかも?

文●三好達彦

【名馬列伝】史上もっとも破天荒な三冠馬、単なる”駿馬”ではなかったオルフェーヴルの魅力

【名馬列伝】トウカイテイオー”奇跡の復活劇”。「中364日でのGⅠ勝利」で波乱万丈の現役生活に幕引き

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号