文字通り王冠が滑り落ちてくる形で、王座についた新チャンピオンが自身の胸中を改めて語った。現地時間5月3日に、WBO(世界ボクシング機構)の世界バンタム級王者となったポール・バトラー(英国)だ。
【動画】防衛戦へ準備は万端だった!? 問題となったカシメロのサウナ使用シーン
バトラーがWBOのベルトを手にしたのは、"宿敵" ジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)の度重なる失態にあった。
昨年12月にUAEでバトラーと指名試合で対戦予定だったカシメロだが、胃腸炎を理由に前日計量日に"ドタキャン"。さらに今年4月22日には、リバプールでバトラーとの防衛戦が組まれたのだが、今度は英ボクシング管理委員会(BBBoC)が固く禁じている減量目的でのサウナ使用が判明。大一番の中止が土壇場で決したのだ。
事態を重く見たWBO執行委員会は、今月3日に満場一致でカシメロの王座剥奪を決定。WBO同級1位に格下げするとともに、暫定王者となっていたバトラーを正規王者に昇格させる意向も明らかにしたのだ。
この一報を知ってから間もなくして、「早朝に知らせを聞き、最高の気分だ」と声明を出していたバトラー。形はどうあれ、念願のタイトルを得た33歳は、米ボクシング専門メディア『Boxing Scene』のインタビューにも気前よく応答し、「WBOは正しいことをしたんだ」と一連の決定に対する率直な想いを語った。
「そもそもドバイ、そしてリバプールで、俺は防衛戦を望んできた。そしてベルトはどちらでも獲れる可能性があったものだったんだ。それに俺も2015年にサウナを使用したことで、WBOスーパーフライ級エリミネーターを下ろされたから、今回の措置は本当に正しいものだと思う。とにかく俺はやっと前に進める。もうカシメロがやっていることをあれこれ気に掛ける必要がないんだ」
さらに「ドバイではジムでカシメロの努力する姿を見ていたから気の毒に思ったが、今回の件は明らかに愚かだ」とカシメロ陣営を痛烈に非難したバトラーは、「彼らはFacebookやYouTubeに『サウナに行こう』と言ってからトレーニングをした動画を上げている。そんなチームってある? あれは間違ってるよ」と続けた。
「もうビデオも残ってしまっているから『サウナは使っていない』とは言えなかったんだ。それに彼は過去にイギリスで試合をしているから『ルールを知らなかった』というのも通用はしない。だから、同情する気もない。そんなに減量に苦労するなら122ポンドまで階級を上げればいい」
カシメロをバッサリと切り捨てた英国戦士は、気になる今後については「イノウエとドネアの勝者がこの階級を統一したいなら、それが俺の進むルートにもなる」と明言。そして、自身の野望を明確化した。
「イノウエもドネアとも会ったことはないよ。同じ大会に出たことあるけどね。レジェンドとして名を残すだろうが、俺は『写真を撮ってくれよ』と言いよるタイプではないからさ。もちろん、どちらかとリングを共にできるのは名誉なことだ。もちろんこっちの立場はアウトサイダーになるだろうけど、それは俺がずっと望んできたチャレンジだ」
はたして、WBA・IBF世界王者である井上尚弥もしくはWBC世界バンタム級王者のノニト・ドネアとの大一番は実現するのか。"アンダードッグ精神"を持つバトラーの挑戦に、大いに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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バトラーがWBOのベルトを手にしたのは、"宿敵" ジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)の度重なる失態にあった。
昨年12月にUAEでバトラーと指名試合で対戦予定だったカシメロだが、胃腸炎を理由に前日計量日に"ドタキャン"。さらに今年4月22日には、リバプールでバトラーとの防衛戦が組まれたのだが、今度は英ボクシング管理委員会(BBBoC)が固く禁じている減量目的でのサウナ使用が判明。大一番の中止が土壇場で決したのだ。
事態を重く見たWBO執行委員会は、今月3日に満場一致でカシメロの王座剥奪を決定。WBO同級1位に格下げするとともに、暫定王者となっていたバトラーを正規王者に昇格させる意向も明らかにしたのだ。
この一報を知ってから間もなくして、「早朝に知らせを聞き、最高の気分だ」と声明を出していたバトラー。形はどうあれ、念願のタイトルを得た33歳は、米ボクシング専門メディア『Boxing Scene』のインタビューにも気前よく応答し、「WBOは正しいことをしたんだ」と一連の決定に対する率直な想いを語った。
「そもそもドバイ、そしてリバプールで、俺は防衛戦を望んできた。そしてベルトはどちらでも獲れる可能性があったものだったんだ。それに俺も2015年にサウナを使用したことで、WBOスーパーフライ級エリミネーターを下ろされたから、今回の措置は本当に正しいものだと思う。とにかく俺はやっと前に進める。もうカシメロがやっていることをあれこれ気に掛ける必要がないんだ」
さらに「ドバイではジムでカシメロの努力する姿を見ていたから気の毒に思ったが、今回の件は明らかに愚かだ」とカシメロ陣営を痛烈に非難したバトラーは、「彼らはFacebookやYouTubeに『サウナに行こう』と言ってからトレーニングをした動画を上げている。そんなチームってある? あれは間違ってるよ」と続けた。
「もうビデオも残ってしまっているから『サウナは使っていない』とは言えなかったんだ。それに彼は過去にイギリスで試合をしているから『ルールを知らなかった』というのも通用はしない。だから、同情する気もない。そんなに減量に苦労するなら122ポンドまで階級を上げればいい」
カシメロをバッサリと切り捨てた英国戦士は、気になる今後については「イノウエとドネアの勝者がこの階級を統一したいなら、それが俺の進むルートにもなる」と明言。そして、自身の野望を明確化した。
「イノウエもドネアとも会ったことはないよ。同じ大会に出たことあるけどね。レジェンドとして名を残すだろうが、俺は『写真を撮ってくれよ』と言いよるタイプではないからさ。もちろん、どちらかとリングを共にできるのは名誉なことだ。もちろんこっちの立場はアウトサイダーになるだろうけど、それは俺がずっと望んできたチャレンジだ」
はたして、WBA・IBF世界王者である井上尚弥もしくはWBC世界バンタム級王者のノニト・ドネアとの大一番は実現するのか。"アンダードッグ精神"を持つバトラーの挑戦に、大いに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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