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格闘技・プロレス

「治世は終わった」王座を失った“問題児”カシメロに母国紙も苦言!「イノウエやドネアも勝負を実現させる気を失った」

THE DIGEST編集部

2022.05.13

現時点で井上(左)との一戦は実現できない可能性が高いカシメロ(右)。そんなフィリピン戦士には、国内からも批判が飛んでいる。(C)Getty Images

現時点で井上(左)との一戦は実現できない可能性が高いカシメロ(右)。そんなフィリピン戦士には、国内からも批判が飛んでいる。(C)Getty Images

 もう“再起”は不可能なのか。ボクシング界の問題児が注目を集めている。WBO(世界ボクシング機構)バンタム級1位のジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)だ。
【動画】防衛戦へ準備は万端だった!? 問題となったカシメロのサウナ使用シーン

 現在33歳の元王者に世界の視線が集まったのは今月3日だ。先月22日にリバプールで開催予定だったポール・バトラー(英国)との防衛戦直前に英ボクシング管理委員会(BBBoC)が固く禁じている減量目的でのサウナ使用が発覚。それに伴ってWBO執行委員会の全会一致で約3年間保持してきた同級のベルトを剥奪されたのだ。

 もっとも、「これは正気じゃない決定で、不公平だ」と自身のSNS上で訴えた本人をはじめとするカシメロ陣営はWBOに異議を主張した。だが、これまでも防衛戦をドタキャンするなど、度重なる“失態”を犯してきた男に対する厳罰は覆らずに今に至っている。

 無論、各国メディアではカシメロへの風当たりが強まった。そのなかで母国でも元王者への失望が広がっている。日刊紙『The Manila Times』は「カシメロは勢いも輝きも失った」とし、「王座を剥奪するという決定は当然のものだった」と厳しく指摘した。

 まず、同紙は、昨年12月に予定されていたバトラーとの防衛戦をカシメロが前日計量日に「胃腸炎を患った」とドタキャンした過去に触れつつ、「次に会場に現れないようなことがあれば、王座を失うのは自動的な流れだった」と断言。そして、こう嘆いた。

「もはやカシメロの治世は終わった。彼はナオヤ・イノウエとノニト・ドネアとのバンタム級統一をかけた争いに絡むはずだった。だが、そんなビッグファイトが実現できなかったのは、彼自身に責任がある」

 いまや信頼も地に落ちた感があるカシメロ。それだけに「イノウエも、ドネアも、カシメロのイライラさせられる言動の数々に振り回され、無理に戦いを実現させようという気を失った」と分析されてもいる。

 そんな同紙は「いまや世界屈指の両雄と真っ先に闘う権利を得たのは、カシメロではなくバトラーなんだ」と訴え、陣営を含めた“チームカシメロ”に苦言を呈した。

「この先、カシメロは多くのことを考えなければならない。彼は自らの行ないによって破滅を招いたのだ。王座を失ったばかりの彼がタイトルマッチの機会を与えられることもそうそうないだろう」

 はたして、カシメロに名誉挽回のチャンスは与えられるのか。今後の動向が注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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