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井上尚弥の練習相手を務めたフィリピン戦士に母国で非難殺到! まさかの“裏切り者扱い”に「イノウエから多くを学ぶ」と反論

THE DIGEST編集部

2022.06.03

ドネアとの大一番を控える井上。彼が練習パートナーに選んだフィリピン人選手に誹謗中傷の声が相次いだ。(C)Getty Images

 大一番に向け、緊張感が高まっている。来る6月7日のさいたまスーパーアリーナで開催されるWBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)とWBC同級王者に君臨するノニト・ドネア(フィリピン)による3団体統一戦だ。
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 運命のゴングまで1週間を切り、約3年ぶりに激突する両雄は着々と準備を進めている。そのなかで井上のスパーリング相手を務める選手に、あらぬ非難の声が殺到している。というのも、"モンスター"の練習パートナーを任されているのが、ドネアと同じフィリピン出身のピート・アポリナルだからだ。

 キャリア16勝(10KO)2敗の戦績を誇るスーパーバンタム級のアポリナル。地元紙『Inquirer』によれば、井上からのオファーを受け、同胞のケビン・ジェイク・カタラハとともに1か月前に来日したという。しかし、母国の英雄であるドネアのライバル陣営への協力はフィリピン国内の一部ファンの反感を買い、「お前は裏切り者だ」というような心無い誹謗中傷の的となった。

 もっとも、当のアポリナルは周囲の雑音を意に介してはいない。同紙の取材で「これは純粋な仕事だ。個人的に他意はない」と語った27歳は、「僕らを中傷してくる人間たちは無視することに決めたよ。彼らはボクシング界について何も分かっていないんだ」と訴えた。
 
 さらに「ノニト(ドネア)から声がかかれば、彼と仕事をしていた」と語るアポリナルは、井上との仕事について「こんな機会は滅多に得られない」と敬意を表した。

「僕らはハイレベルなボクサーであるイノウエから多くの経験を学べている。彼はただのボクサーではない。他に多くのボクサーを選ぶことだってできたのに、彼は僕らを選んでくれた。このトレーニングに招待されること自体が名誉なことだ。もちろんフィリピン人としての誇りはある。だけど、これは長い人生でも一度あるかどうかの経験だ。こんなチャンスは普通ではありえない。それだけプライスレスなんだ」

 ドネアの同胞とはいえ、ライバルのスパーリングパートナーを務めただけで、ここまでの物議を醸す。その事実こそが、この一戦の持つ意味を如実に物語っていると言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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