ボクシング界屈指の好カードに対する注目度は上がり続けている。

　６月７日のさいたまスーパーアリーナで開催されるバンタム級の３団体統一戦で、WBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥（大橋）は、WBC同級王者のノニト・ドネア（フィリピン）を迎え撃つ。両雄が激突するのは、2019年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ（WBSS）決勝以来、約３年ぶりだ。

　両雄ともに前回対戦から負けなしを維持。お互いに力強さに磨きをかけてきているだけに、現時点で展開は全く読めない。そうしたなかで興味深い"指標"を展開したのが、米スポーツベッティングサイト『World Sports Network』だ。

　運命のゴングまで１週間を切ったなかで「対戦が待ち切れない」と特集記事を掲載した同サイトは、現段階でのオッズとして、井上が「－600」で、ドネアが「＋375」だと紹介。明確な期待値を表したうえで、「この試合にベットをする人々の大半は日本ボクシング界のモンスターの勝利に興味を示していない」と指摘した。

　また、同サイトは３年ぶりの再戦における展開について、「今回も前回対戦のようにポイント差（判定）でイノウエがドネアを破る」と断言しながらも、「イノウエはおそらく自らが望む結果を手にできる。だが、相手を甘く見れば、大きな代償を払わされるだろう」とリベンジに燃える39歳に対する警戒を強めた。
  　しかし、「我々はドネアのチャンレンジに敬意を表し、そのアンダードッグ精神の虜になっている」とドネアへの期待を煽る同サイトだが、最後は冷静に「だが、この試合に勝敗を予想するうえでは、彼を支持することはない」とあくまで井上有利の予想を推している。

「ドネアは過去の経験から、焦って、早々とノックアウトを狙っても何も得られないと学んでいる。彼は早い段階で試合を決められるだけの技術とパワーを持っているが、今回の対戦では時間をかけてゆっくりと勝負するだろう。しかし、40歳を目前にした今、彼の動きは全盛期よりも鈍く、イノウエに比べれば、ベストな状態とは言えない」

　世界中から熱視線が送られ、緊張感は高まっているなかで拳と拳をぶつける井上とドネア。激戦は必至だ。

構成●THE DIGEST編集部

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