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カシメロの“身勝手発言”にWBO王者は「コイツとはおさらば」と憤慨! 井上尚弥戦の実現を再強調「俺はレジェンド級とやる」

THE DIGEST編集部

2022.06.14

2度もタイトルマッチをふいにされたバトラー(左)は、カシメロ(右)に怒りをにじませた。(C)Getty Images

 去る6月7日に行なわれたWBAスーパー&WBC&IBF世界バンタム級王座統一戦で、ノニト・ドネア(フィリピン)を見事に打ち破った井上尚弥(大橋)。長期戦も予想されていたなかでの2回1分24秒TKO勝ちは、世界に驚きと興奮を提供した。

 ライバルたちのハイレベルな攻防戦、そしてドネアの敗北。これに居ても立っても居られなくなったのが、元WBOバンタム級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だった。試合直後に自身のSNSで、「イノウエに勝てるのは俺だけだ。イノウエ、心配するなよ。すぐに会えるさ。俺はもうすぐ立ち直る。そしてすべてのフィリピン人のために、ドネアがやられた復讐をする」と、"モンスター"への敵意をむき出しにしたのだ。

 もっとも、今現在、王座戦線にいないカシメロが井上と対峙するのは容易ではない。というのも、今年4月に予定されたポール・バトラー(英国)との5度目のWBOベルトの防衛戦直前に規律違反が判明。試合が中止となり、正規王座の資格を剥奪されていたからだ。

 ゆえに32歳のフィリピン人戦士の"遠吠え"には、呆れる人々も少なくない。井上との次期対戦が有力視されるバトラーもそのひとりである。

 昨年12月にもウイルス性胃腸炎を患ったとしてタイトルマッチをふいにされるなど、バトラーはカシメロには幾度となく振り回された。それでも今年4月には、急遽行なわれたジョナス・スルタン(フィリピン)との暫定王者決定戦を制し、WBO正規王者としても認められた。
 
 ベルトを手にしたバトラーは、母国の専門誌『Boxing News magazine』で「カシメロは二度もタイトルマッチをドタキャンしたんだ。一度は仕方ないかもしれないが、二度はありえない。もはやバカにしているとしか思えないね」とバッサリ。そして、「今の彼にチャンスを与えることはこのスポーツのためにならない」と持論を展開した。

「病に倒れた一度のキャンセルの時は彼に同情した。だけど、こないだのリバプールでの振る舞い(※英国内で禁止されているサウナでの減量を行なった)はありえないと思ったね。俺は完全に『こいつとはおさらばだ』と思っているし、もう名前を聞くのもうんざりなんだ。ボクシングやベルトに対する敬意が全くないひどいやつを相手にする気はない」

 身勝手な言動を繰り返すカシメロに怒りをにじませたバトラー。さらに「あいつがプロフェッショナルではないこと、何が起きてもおかしくないのは分かっていた」と強調した英国戦士は、改めて現王者同士によるマッチアップを希望した。

「もしも、次にイノウエとやれるなら、俺は絶対的なレジェンド級の相手とやることになる。そういう闘いがしたいんだ。彼は本当に素晴らしいよ。とても賢いファイターで、パンチ力は破壊的だ。ファンとして見ていても楽しい選手なんだ。彼とやれるなら俺も嬉しく思う」

 すでに水面下では、具体的な交渉が進んでいるとされる両陣営。王座戦線への復帰を求め続けるカシメロを尻目に、井上のバンタム級4団体統一の悲願に向けた歩みは進んでいく。

構成●THE DIGEST編集部

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