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0.001秒差で“フライング失格”のハードラー納得いかず。銀メダリストは「誰もフライングなんかしてない」と擁護

THE DIGEST編集部

2022.07.18

決勝の舞台に残ったアレンだが、フライング失格で一発退場となってしまった。(C)Getty Images

決勝の舞台に残ったアレンだが、フライング失格で一発退場となってしまった。(C)Getty Images

 現地時間7月17日、世界陸上オレゴン大会の男子110メートル障害の決勝に進んだ地元オレゴン大学出身のデボン・アレン(米国)がフライング。無念の失格処分に感情的になった27歳だが、銀メダルに輝いた同じ米国代表のトレー・カニンガムもそんな彼に対する不可解な判定に怪訝な顔をする。

 同大会後にNFLフィラデルフィア・イーグルスのキャンプに参加する予定のアレンは、陸上生活最後のレースと決意して臨んだ今大会は、予選、準決勝を難なく走り切った。だが、決勝で思わぬ展開が待ち受けていた。

 スタートの号砲とともにほぼ一斉にスターティングブロックを蹴ったスプリンターたち。だが直後には、スタートのやり直しの合図が響き渡った。そして審判は3レーンのアレンの元へ行き、フライングを知らせたのだ。

 見た目では全くと言っていいほど判断がつかない「0.099秒」というリアクションタイムにはスタンドのファンからはブーイングが沸き起こり、アレンも審判に直接抗議するなど現場は騒然とした。
 
 やむを得ず控室でレースの行方を見届けたアレンはその後、記者らのインタビュー取材に応じた。地元紙『The Oregonian』によれば、アレンは「ルール上、不正スタート。だけど凄く際どいもので、誤差がだいぶあると思う」と口にしたうえで、「自分たちで勝手に決められるとは言えないけど、機械だって100%完璧とは言えない。1000分の1っていうのはかなり限界に近い単位だからね」と持論を述べた。

「あと1000分の1遅ければ皆がハッピーだった。皆が『素晴らしいレースで世界チャンピオンだよ!』って言ってくれたのに。ちょっと悔しいですね。レースには色々な要素があるけど」

 判定に納得していないのは本人だけではない。銀メダルのカニンガムは、「デボンのフライングについてだけど、我々は彼がフライングしたなんて気づかなかった。誰もフライングなんかしてないし、私らとしては彼に走ってもらいたかった。だから僕としては最高のレースとは言えない」と残念そうに語った。

 だが、すぐさま「初めての世界選手権で不満を言うのはよくない。輝かしいメダルを手にしたんだから、そういった意味では満足です」とコメントした。

 本人や応援するファンだけでなく、ライバルらも疑問を抱かざるを得ない「0.099秒」という完璧なスタートを切ったアレン。それだけに悔しさが残る大会となってしまったことだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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